メディアリテラシーとは

メディアリテラシーとは何だろうか。

「コトバンク」で調べてみた。

メディアリテラシー(英語表記)media literacy
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「メディアリテラシー」の解説
メディアの特性を理解して使いこなす複合的な能力。人間が社会のなかでいろいろな情報を入手する手段としては,新聞,雑誌,ラジオ,テレビという既存のマス・メディアのほか,インターネットの電子メール,ウェブサイト,ブログなどの新しいメディアの比重も高まっている。これらのメディアの特性を知り,その情報を処理する新しい「読み書き」の能力が求められるようになった。メディアからもたらされるさまざまな情報を主体的かつ批判的に受け止め読みこなす能力,電子メールやウェブサイトなどで発信する情報がもたらす影響を予測する能力,双方向コミュニケーションにおけるいろいろなトラブルを処理・回避する能力などである。インターネット社会における悪意や犯罪の存在,それを防ぐためのセキュリティの知識なども必須である。またそのような予備知識のない児童に対する適切な指導・教育も不可欠である。ウェブ閲覧ソフトウェアに内蔵されている「ペアレンタル・コントロール(見せたくないサイトなどを排除する機能)」の利用などは,広い意味でのメディアリテラシーといえる。

 あるテーマで記事を書き始める時には、とりあえず「コトバンク」で用語の説明を読むことが多い。著名百科事典の用語解説なので、深みにはまらずに基礎概念が理解できるからだ(取材をあまり進めないうちに他の記者が書いた記事を参照にすると、自由な発想や思考ができなくなる)。

 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』も利用するが、内容が玉石混交で信憑性が疑われる内容もまれに含まれている。インタビューする際の質問の材料として利用するのには便利だが、ウィキペディアに書かれた内容をそのまま引用して記事を書くことはない。

 「メディアリテラシー」をテーマに本を書きたいと思い、まず書店で、メディア関連の本を買い漁った。

 ネットでも情報が入手できるようになり、マスメディアの地位が相対的に低下。誤報なども相次ぎ、マスメディア報道に対する信頼は低下しているという厳しい見方の本が多かった。

 国家とマスメディアの対立の構図のなかで、新聞やテレビなどのマスメディアがどんな役割を果たすべきか、というお決まりのパターンの本も多かった。

 新聞は、電子版などを出してはいるものの、ネット本来の双方向性をあまり生かしていないし、記者に自由な発信を認めている新聞社は少ない。ネット社会の中で新聞がどう生き残るかも新しいテーマだ。 

 新聞社に入ったものの、国家とマスメディアというテーマに正面から向き合ったことはない。政治部に所属したことはなく、権力と関わったのは、警察取材と、地方取材で知事や市長に取材したときくらいだ。

 もちろん、マスメディアと政権との距離感を、日々感じておくことは大切なので、夜のニュースは、複数のチャンネルを同時に数日分録画できるレコーダーで、毎日比較して見ている。

 しかし、現代社会におけるメディアリテラシーを考える場合、従来の「国家権力とマスメディア」という構図をチェックするだけでは不十分ではないだろうか。

 そして、最近感じるのは、テレビで流れる情報の浅さだ。「言葉の意味」がわかればそれで満足。世の中の事象の裏にある動き、いろいろな出来事の本質などは見過ごされ、表面的な情報とそれに対する感情的な意見だけが溢れている。

 政治の動きや事件を見ているだけでは世の中はわからない。われわれはメディアで取り上げられる様々な知識、情報について、どれだけ、中身をきちんと知っているのだろうか。「脱炭素社会」と強調する政治家の本心は、原発を推進したいのか、真剣に地球温暖化を危惧して、ライフスタイルの見直しまで考えているのか、どちらなのだろうか。テレビや新聞のニュースだけでは理解できないことはどこかで補わなければいけない。論客のツイッターでの発言やベストセラー、Zoomで見られるセミナーなどなど。

 まずは我々自身の生き方を決めるために必要な情報、知識をきちんと、複数のメディアから得たい。なぜいま生活の格差がこれだけ広がっているのか。IT社会の中、プライバシーはセキュリティーは大丈夫なのか。EU(欧州連合)がAI(人工知能)の規制案を作ったが、日本はなにもしなくていいのか。ネットの情報を信じて頼んだ修理業者がとんでもないぼったくり業者だったりすることを知っているのか。身近なことさえよくわからずに暮らしてはいないか。

 「くらしとメディアリテラシー」というテーマが大切になっていると思う。そして、それならば、社会、生活、ITなどのジャンルで取材してきた私の経験も少しは役立つのではないかと思う。

 日々、暮らす中で、どのように新聞やテレビ、ネットで流れる情報の質を検証するのか。どのように偽の情報にだまされず、偽情報の蔓延に加担しないで済むようにするのか。あるいは、どうすれば、不十分な知識と表現で投稿をして、友人に迷惑をかけてしまったり、その投稿に批判が殺到して「炎上」するハメになったりしないで済むのか。そんなメディアとの付き合い方も考えていきたい。

 SNSは、不用意に投稿すると炎上する。「怖い」と思っている人が多いのではないか。ルールやマナーもはっきりしないSNSのグループなどで発言はしないことだ。情報発信をするならば、しっかりした情報を集め、知識を得て、自分のものになった「言葉」で発信したい。それを、ルールやマナーがしっかりしたSNSで行えば問題は起きないはずなのだが、その基本動作ができていないと、思わぬトラブルに巻き込まれる。

 コトバンクの用語解説では、こうしたメディアと付き合う際の様々な問題もをすべて念頭に置きながら、いまの時代にアップデートして、メディアリテラシーを定義しているようだ。

 ただ、すぐに頭に入る定義ではない。

 そんなとき、役に立つのが子供向けのメディアでの解説だ。私も中学生向けのニュース解説記事をよく書いたが、中学生にわかりやすく書こうと思うと、本当によく勉強しなければ書けない。メディアリテラシーを高めたければ、子供にわかりやすく説明できるかどうかを考えながらメディアの情報に接し、子供に話せるかどうか試してみるのもいい。

 わかりやすい説明がある場として、おすすめなのが、NHK for schoolだ。動画も豊富で理解が進む。メディアリテラシーについての解説を見てみよう。

https://www2.nhk.or.jp/school/movie/clip.cgi?das_id=D0005311049_00000

メディアを通じて手軽に情報が手に入るようになった現在(げんざい)。わたしたちには、こうしたメディアがもたらす情報を正しく理解(りかい)し、活用する「メディアリテラシー」の力が求められています。メディアリテラシーには、3つの要素(ようそ)があります。メディアを読み解(と)く力。メディアを活用する力。メディアを通じてコミュニケーションする力です。メディアを読み解く力とは、情報が正しいものかどうかを判断(はんだん)する力。メディアを活用する力は、目的や状況(じょうきょう)におうじて、どのメディア機器を使えばいいのか、その特ちょうを知り、使い分けることができる力です。3つ目は、パソコンやスマートフォンなど、メディア機器を通じて上手にコミュニケーションする力です。多くの情報が手に入る現在。情報化社会とうまくつきあうためには、メディアの情報を読み解き、活用し、上手にコミュニケーションする力が必要です。


■すっ飛ばし要約(時間のない人はこちらだけ読んでください)

情報リテラシーとは①メディアを読み解く力②メディアを活用する力③メディアを通じてコミュニケーションする力である。

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