食事する時間が楽しくあれ、ただそれだけ。
その人がいると、誰もが楽しい気持ちになる。唯一無二のそのキャラクター、無意識的に染み付いているホスピタリティ。客席みんなを巻き込んで楽しませるエンターテイナーにお話を聞いてみました。
食事の時間はエンターテイメント
ー通勤に結構時間がかかるかと思いますが、100本のスプーンを職場として選んだのはどうしてだったんですか?
コロナ禍がスタートして、もともとの働き先のエンターテイメント業界のシフトに入れなくなってしまい、ダブルワークできるところを探していました。
アートやエンターテイメント鑑賞を趣味としているので、その界隈を探していたら東京都現代美術館内に100本のスプーンがあることを知って。各店舗を見ているとちょうどアクセスしやすい場所に豊洲店があったので、面接を受けようとさっそく電話をかけました。
ー当時電話を受けた広末さんは、その時点で既に採用を決めていたんだとか。声ひとつでも感じの良さが伝わるがるさん、お客さまからも賞賛の声をよくいただいていますが、意識していることはあるんですか。
意識は特にしてないです!(笑)ただ、お客さまによって声色を変えるのは自然とやっていることかもしれないです。赤ちゃんなのか、小学生のお子さまなのか、ご年配の方なのかとか。赤ちゃん連れのお席は、赤ちゃんにも目線を合わせながら接客するようにしています。いかに笑ってもらえるか、食いついてもらえるか。ちょっと違うなと思ったらまた変えてみたり。でもカップルのお席はしっとりとしたテンションでいきます。
ー意識するとかいうレベルじゃないんですね。高い基準が体に染み付いている。ホスピタリティの塊のようながるさんですが、これまで接客業をされていたんですか。
ずっと接客業をやってきた訳ではないのですが、ホスピタリティに関しては強いて言うならばエンターテイメント精神が原動力なのかもしれないです。
外でご飯を食べるって、毎日の事ではなく数少ないスペシャルな時間だと思うので、100本のスプーンで過ごす時間が楽しくあれーって、ただそれだけの気持ちです。
ー確かに、がるさんのおもてなしはもはやエンターテイメントですね。
みんなが笑顔になる瞬間
ーお客さまとのシーンで印象に残っていることはありますか。
先日※アニバーサリープレートをお客さまに持っていくときにやり直しさせられました。NGでやり直しというわけではなく、感激してくれたのか「写真撮りそびれたのでもう一回お願いします!」って。やり直しはすごく恥ずかしかったですが喜んでくれたならよかったです。
ーいい意味でのやり直し。がるさんのアニバーサリーはお店全体を巻き込んで盛り上げていますもんね。写真に収めておきたくなる気持ち、わかります。
おーコドモたちももがるさんに接客されると本当に楽しそうで、よく触られていますよね。
そうですね、赤ちゃんによく触られたりします。でもコドモは本当に可愛いですからね。心から可愛い〜って思っている気持ちが伝わっているのかなと。でも大きい子は触っちゃダメですよ。(笑)
ーもはや歩くパワースポットですね。
多様なメンバーと、多様な働き方
ー100本のスプーンには学生・主婦・ダブルワーカーなど様々な年齢やバックグラウンドを持つメンバーがいますが、抵抗はなかったですか?
ないです!娘と同じ年代のスタッフから同世代まで、みんな仲良くしてくれて…ありがたいです。シフトを上がってからもまかない食べたりお話したりでバックヤードについつい長居しちゃいます。
ーいつも楽しそうな声が聞こえてきます。ダブルワークや趣味に忙しくされているので、しんどくなることはないですか。
逆に働き先が両方あるからこそ、心に余裕を持てていいバランスでいられるのかなと思います。100本のスプーンで働いて美味しいまかないを食べたら、元気になって次の職場に向かうことができます!いつも美味しいごはんをありがとうございます。
ー最後までパワフルなインタビューをありがとうございました!
撮影:藤﨑杏菜
取材・執筆:本間菜津樹