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◎私の詩すべて◎

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切なくて甘ったるいお伽話 いとしさとさみしさの標本
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#気持ち

お散歩行きたい 〈詩〉

大好きになれた君の 一番近くに生きたかった どうして遠くで置き去りなの お散歩したかった 約束したよ なんで 君は生きてるのに なんで他の人と一緒に歩くのに なんで私はここで死ぬの お散歩したかった 抱きしめたら抱きしめ返すって言ったよ なんで なんで捨てるの ごしゅじん どうして わからないよ 悲しい 怖いよ 一緒にお散歩しようよ

パパとあたし 〈詩〉

あの頃パパは優しくて 毎日あたしと遊んでくれた たくさんお話してくれた あたしの命を喜んで もっと遊ぼうって望んでくれた パパは物知りでおもしろくて かっこよくて大好きなの 手を離されることだけが怖かったの 恐れたとおりになっちゃった パパはあたしを見ないんだ あたしのお話疲れるんだって 無視してないって言いながら お返事しないで放っておくの パパは他の女の子と仲良しで あたしとはもう遊ばないんだ パパがパパじゃないみたい パパ、パパ どうしてあたしを嫌いなの あたし悪い

生きるのに必要な君のひとしずく

半分この愛なんて要らない 何より大事に思うもの どうして分け合えるの そんな優しさ残酷なだけ 半分くれるなんて言わないで 優しさなんかで愛さないで 君をすべてくださらないなら 私ひとりで潰れて息絶える 半分でも一口でも 本当は涙出るほど嬉しいの 胸が裂けるほどくやしいの 優しさで撫でてもらえて 死んじゃいたいほど喜んだ 君の欠片に触れられるなら どんなさみしい一瞬でも必要だ 何もくれないなんて言わないで あと少し君を感じていられるように ひとすくいの水をください 君に

いつまでも続くパーティを

何度だって遊ぼう。 たくさんおもちゃを作ろう。 あれもこれも歌って踊ろう。 ぬいぐるみを抱きしめよう。 何度だって旅に出よう。 夕日は明日も明後日もいつまでも見よう。 好きなだけ卵を焼こう。 ピクニックもあちこちでしよう。 何度だって好きな言葉を口にしよう。 一人ぼっちで誰にも聞こえなくても。 君の名前も時々呼ぶよ。 自分には「大丈夫だよ」って言おう。 何度だってパーティしよう。 すべてが消えて無くなっても。 壊れた人形になるとしても。 いつまでも笑っていよう。 嬉し

さみしさについて

結局、さみしい。 どれだけ優しい刺激を胸に入れても。 日向で遊んでも、日陰で休んでも。 君の名前を知らなくても、数えきれないほど呼んでも。 何百キロメートルの彼方に沈黙している時も、 声だけ飛ばしあった後も、皮膚に触れる距離を知っても。 君はずっと僕の中に居るのに。 結局、さみしい。 さみしさは心細さだ。 僕がどれだけ君やこの世界を必要としていても、 君やこの世界に必要とされないなら僕は怖くなる。 居てもいいよと、存在を許されてはいても、 手を繋いでくれなければ、 頭の中は