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◎私の詩すべて◎

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切なくて甘ったるいお伽話 いとしさとさみしさの標本
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2021年1月の記事一覧

君におはようおやすみを

今度生まれてくる時は 大好きな君に 毎日おはようおやすみなさい 伝えることを許されたい 君にどれほど触れたくて お話したいと思っても 声の届かない遠い国 やっと僕に許された距離 山のあなたの空遠く 叫んでも聞こえないのに 美しさを見つけてしまった 知った僕が悪いのだろう 山を越える力を持てず朽ちても 二度と君と僕が生まれなくても 好きなものを好きだと 言えたこの命を僕は愛したい 今日の君はどこに居るのだろう 空の向こうで何をしたのだろう おはようおやすみまたね それだ

届かない手紙

静かな森の奥に住むよ そこではぬいぐるみとお人形 鳥やウサギが住んでいて やさしいパーティをするんだよ 沢までおりてピクニック 松葉のベッドで枕投げ 大好きな君にお手紙を書くね 今夜の星模様を伝えるお便り ベーテルギウスとプロキオン シリウスむすんで三角形 今日もきれいだよ 君にも見えるかな 永遠に星たちの中で泳ぐんだ いつか君も泳ぎに来たらいいよ その時はまた手をつないでね 君に届かない森の奥から 送らない手紙を書き続けるね 静かな森の奥に住むよ そこでは小さな焚き火と

いつまでも続くパーティを

何度だって遊ぼう。 たくさんおもちゃを作ろう。 あれもこれも歌って踊ろう。 ぬいぐるみを抱きしめよう。 何度だって旅に出よう。 夕日は明日も明後日もいつまでも見よう。 好きなだけ卵を焼こう。 ピクニックもあちこちでしよう。 何度だって好きな言葉を口にしよう。 一人ぼっちで誰にも聞こえなくても。 君の名前も時々呼ぶよ。 自分には「大丈夫だよ」って言おう。 何度だってパーティしよう。 すべてが消えて無くなっても。 壊れた人形になるとしても。 いつまでも笑っていよう。 嬉し

星のきみ

明日にも世界が終わるなら 名も無いきみに会いに行こう ぼくにとっての何なのか 名は無いとしてもうつくしい かすかな光でかがやくきみよ 世界の終わりの明日の日に きみがすべてを手放して ぼく一人を待つのなら 迷わず走って会いに行く 辿り着けないと分からずに 遠いきみを抱けるのだと 愚かな願いの離せぬままに ぼく一人を待つきみが そこに居たなら命など かまわず向かって行けるのに どこにも見えないぼくのきみ 名も無いきみはいつまでも ぼくの夢に生きていて 明日にも世界が終わる