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そもそも、てんとう虫コミックス『ドラえもん』とは?

こんにちは、
ドラえもんルームです。

てんとう虫コミックス『ドラえもん』豪華愛蔵版全45巻セット「100年ドラえもん」のお話を始める前に、まずは皆さんお馴染みの、てんとう虫コミックス『ドラえもん』全45巻について、改めてご紹介したいと思います。

てんコミ45巻揃い写真

現在、第1巻は累計246刷です。

てんとう虫コミックス『ドラえもん』は1974年7月に第1巻が発売されて以来、全45巻が、発売当時とほぼ同じ装幀で、現在も着実に版を重ね、読み継がれています。

「てんコミ『ドラえもん』」全45巻の現在までの総発行部数は、8800万部超。中でも第1巻の累計発行部数は246刷434万1000部(2020年6月現在)で、現在も数か月に一度は重版を実施するほど、多くの新しい読者に読まれ続けるコミックスです。

ドラえもん1巻


F先生が自ら選び抜いた決定版です。

この「てんコミ『ドラえもん』」の最大の特徴は、何といっても藤子・F・不二雄先生が、ご自身で掲載作品を選び、順番を決め、時に原稿に加筆修正されているということです。

『ドラえもんは』、幼児誌である「よいこ」「幼稚園」の2誌、「小学一年生」~「小学四年生」の学年誌4誌の合計6誌で、1970年1月号から連載がスタートしました。

異なる6つの第1話

その後、「小学五年生」「小学六年生」などでも連載が始まりました。

F先生は、各学年の子どもたちの年齢に合わせた内容の、異なる『ドラえもん』のお話を描いていたため、描き方やページ数なども、掲載誌によって異なります。

単行本化の際、F先生は、異なる対象に向けて描かれた、様々な『ドラえもん』全掲載作の中から、どの作品を掲載するかを検討され、ご自身で編集されていました。

1冊の本の中でページ数や内容に偏りが出ず、リズム良く読めるようにといったことも含め、様々な配慮がなされた上で最終的な収録作品と収録順が決められました。

短いページ数の作品が続いたり、低年齢向け雑誌に描かれた、コマの数が比較的少ない『ドラえもん』が続いたりすることがないのは、そういった編集作業によるものです。


F先生描き下ろしの「カバーイラスト」と「トビラ絵」にも注目!

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また、背表紙を含む、「カバーイラスト」と、表紙をめくって最初に登場する「トビラ絵」は、毎回、F先生の描き下ろしでした。

カバーイラストは、その巻の象徴的なお話や核となるお話・キャラクターが登場することが多いです。
トビラ絵は、たとえば、第17巻の通称「彫刻家ドラえもん」のように、収録作品と全く関係がない遊び心にあふれたイラストが描かれたりと、単行本の読者の満足度を更に高めるような、様々な工夫がなされています。

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てんとう虫コミックス『ドラえもん』は、特別な存在です。

1996年の第45巻まで、F先生ご自身による編集はずっと継続されたという点において、「てんコミ『ドラえもん』」は、数ある『ドラえもん』の単行本の中でも、特別な存在で、決定版であると、ドラえもんルームのメンバーは考えています。

2005年から刊行がスタートした、てんとう虫コミックス『ドラえもんプラス』シリーズ(てんコミ『ドラえもん』に未収録の作品を収録)を、『ドラえもんプラス』という書名で、第1巻から新たに刊行したのは、こういった理由になります。

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『ドラえもん』50周年のメモリアルイヤーの記念出版物として、『100年ドラえもん』を企画したのは、この「てんコミ『ドラえもん』」を改めて読んでいただきたい、そして未来に届けたい、という思いからです。

次回からは、この「究極の愛蔵版」の細部を、具体的に紹介して参ります。

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