「伝える」ことと「伝わる」ことの間に横たわる壁

情報発信がテーマの講演会に出席してまなびを得たので共有いたします。
こんばんは。斜里町役場環境課の寺屋です。

オープンな場ではなかったので、書ける範囲でのアウトプットになります。気になったフレーズをメモします。

情報発信に正解はない
登壇者のひとりより

情報発信に、「こうしなければならない」「これが正解」といったものはないんですよね。なぜなら、情報発信はコミュニケーションだからです。
意図していない、間違った表現はありますが、友達と話すのに「正解」は無いので、たとえ間違ったことを言っていたとしても伝われば問題ありません。「雰囲気」を「ふいんき」と発話しても会話上問題ないはずです。

伝わると気持ち良い
登壇者のひとりより

伝えたいことが伝わると気持ち良い、快いと聞いて、「そういえばそうかもなぁ」と思いましたが、普段の自分を省みて、相手にどれだけ伝わったか確認をしているだろうかとも思いました。
なんとなく「伝わった気に」なっていないか。伝えたつもりになっていないか。コミュニケーションのコストが増えますが、大事なひと手間のように思いました。


一対多の情報発信は、一対一より伝わりにくい
登壇者のひとりより

なぜでしょうか。伝わったかどうかの確認ができないからかもしれません。顔が見えるとリアクションが見える。
相手が多数だと、目の前にいたとしても、一人ずつ確認する時間がないので伝わっているのかわかりません。うなずいてくれれば伝わったような気はします。
しかし、不特定多数だと何のリアクションも見えないので伝わったかわかりません。
したがって、情報発信でちゃんと伝えるにはフィードバックが必要、つまり交互作用なのかもしれません。
「たしかに伝わった」と相手に教えてもらえなければ、完了しないものなのだと気付かされました。



また、一方で、かしこまった場や組織を背負う場、感情的になると、思っていないことも言葉になってしまうなど、発信時点でのミステイクもあり得ます。伝えたいことを自ら理解して、相手の持つ情報に応じて伝わりやすい言葉選びをする必要がありますが、とっても難しそうです。

そのためには、相手がどんな人なのかを考えて、(非言語含め)フィードバックをもらわないと、どんな言葉を選んで良いかわからず、難しい作業になりそうです。

情報発信の怖さは、間違って受け取られることの怖さ
登壇者のひとりより

加えて、無視される怖さもありますね。誤解を招かないように包括的な表現にすると抽象的すぎて伝わりにくかったりもしますが、怖さはありません。相手が怒りを向けてきたり無関心だったりで自分が傷つくおそれがあるときに怖くなるのでしょう。
自分よりも、相手が傷つく恐れがある時に怖く思いたいものです。



相手の興味を探りながら話して、相手がどこまで情報を持っているかを探る。相手が怒ってくることもある。事実を丁寧に伝えると理解と共感を得られる経験があった。
登壇者のひとりより

一般にクレーム対応では、コミュニケーションを始める前に、相手が「思い通りにいかない」「理不尽だ」と思うことに対して怒っているケースが多いようです。理不尽ではなく理由のあること、思い通りにはいかないがルールがあることが伝われば怒りの矛を収めてくれることもあるようです。


自分が伝えたとおりに考えてほしいとは思ってない。超えて欲しい。そのためにいろんな仕組みを整えたり、いろんな経験を経てもらい、思った以上のものが出てくると面白い。
登壇者のひとりより

情報発信の面白さについて語ってもらったフレーズですが、心に残りました。情報発信は、伝えたい、伝えたいという思いを起点にしてしまいがちですが、相手がどう思うかは相手の自由だと気付かされました。
そして自分の考え以上のものが出てくると、困惑したり、反論したくなるものですが、それを面白がれる心持ちが素敵だなと思いました。

人は話す相手によって話し方も話す内容も違う。不特定の相手に話すと一番難しい。相手との関係によって伝わったり伝わらなかったりする。
登壇者のひとりより

敬語を使う相手、じゃれつくような間柄の友達、不特定多数に発信するメッセージ……相手が違うと話し方も内容も変わってしまうのがコミュニケーションですよね。
同じことを言っても、関係性が違うだけでうまく伝わらなかったり……。
例えば、ポイ捨て禁止のポスターひとつとっても、警察官が注意するような書き方、孫がおじいちゃんに呼びかけるような言い方など、表現は立場によって異なり、きっと受け取り方も違います。

言い方の違い、発信者の立場をどう設定するか、伝わりやすい立場なのか、言葉なのか、よく考えなおす必要があるなと反省する良い機会になりました。

そして、自分が「伝わった」「わかった!」と思ったときは、「それは自分の考えと似ている」だけかもしれないのでバイアスに注意をする必要もありそうです。

本日は勉強になりました。