たっぷり歩くンゴ

はじめまして加賀美です。肩書きは特にありません。お散歩大好き! どうも、お散歩大好き加賀美です。

100ハイの集合場所まで、その最寄駅から多少距離があり、体感的にはかなり長く歩いたような記憶があります。思えばこの最寄駅集合場所間が一番歩いていて楽しかったです。先に述べてしまえば、100ハイは後になればなるほど苦しいです。歩く内に慣れたり楽しくなってきたりという期待もありましたが、午前より午後の方が辛く、1日目より2日目の方が厳しいです。当然ですよね。当然です。そうして後になればなるほど周りの皆が愛おしくなります。

1日目の午前は非常に余裕があり、全然フランスパン片手に自撮りをしていました。当時私は某音楽系サークルの一員として参加していましたが、あまり馴染めず一人で全然フランスパンを食べながら歩いていました。のどかな景色もそれなりに心地良く、周囲の珍奇なコスプレを見ては笑顔になります。ラーメンのコスプレ、電車のコスプレ、キリストのコスプレ、ヤバイくらい肌の露出が多いコスプレ(TMの『HOT LIMIT』を遥かに凌駕)。私のフランスパンもある種コスプレのように見えたらしく、知らない人から「パン屋さん縛りですか?」と尋ねられました。昼食です。

メガネにつけてんのなに?

1日目の午後急に限界がやって来る。
ヤァ!ヤァ!ヤァ! 
足痛すぎませんか? 
痛すぎますよね? 
痛すぎると思います。
昂揚会の梶谷惟人くんがロキソニンをくれました。余談ですが梶谷くんと私の第一印象は互いに最悪でした。梶谷くんはドアノブやボールペン、麻雀牌など目に付いたものをすぐ舐める癖があり(本人曰く「ナメられたくなかったから舐めるしかなかった」)どちらかと言えば忌避していた人物だったのですが、これ以降少しずつ仲良くなりました。現在私の一番の友人です。100ハイが紡ぐ素敵な友情。友達がいない人はロキソニンをポケットに忍ばせて100ハイに参加すると良いのではないでしょうか?

辺りが暗くなっても歩き続けます。午後に限界がやって来ると言いましたが、それは過言でした。本当の限界は夜にやってきます。限界が4人組になって来日します。もう本当に限界なので「後向きに歩くと楽だ」とか言い出します。実際の所、後向きに歩くと使う筋肉が変わるので一時的に楽になります。段段と自分の体のどこが痛んでいるのかも曖昧になってきました。私はここで心身共に参ってしまい、100ハイに参加していない先輩に電話をかけました。どうしてあなたたちは歩いていないんですか? 歩いている全ては仲間であり、歩いていない全てが敵に見えました。「休憩所まであと少し」の看板を持って立つ運営の人は、歩いていないので当然敵です。ちなみに全然「あと少し」じゃないので騙されないでください。

は体育館で総雑魚寝です。集合場所で預けた宿泊用荷物を体育館で受け取りまた翌朝預かってもらえるシステムは、メチャクチャありがたかったです。学年性別関係なく寝袋と共に床へ転がされます。学年性別関係なく全員足が臭い。各自足を揉んだり湿布を貼ったりしながら最大限疲労回復に努めます。「脱水状態のままおしっこをすると更に急激な脱水を起こし倒れる」という話を各所で聞かされました。おしっこ前に水を飲むことの大切さを先輩や昴揚会員が説いてくれます。おしっこでリタイヤはあまりにも悲しいので、おしっこの前には水を飲みましょう。おしっこを飲みましょう。

2日目の朝は、昴揚会員の鍋を叩く音で起こされます。『毎日かあさん』と『忍たま乱太郎』以外で見ることのない起床方法なので、体験する価値有りです。個人的には、さしてうるさくなかった印象があります。眠過ぎてそれどころではありません。起き上がる、寝袋を畳む、靴を履くという全ての所作に対して憤っていました。足だけでなく身体中が痛み、精神的にも相当余裕がなくなります。全然フランスパンを食べる気力はないです。ウィダーしか喉を通らなくなり、生命の終りを感じます。1日目の夜に本当の限界が来ると書きましたが、それは過言でした。ガチの限界は2日目ずっとです。疲れが脳を超越し(所謂ガンギマリ状態に入り)「逆に走った方が楽かもしれない」と考えた私は、先輩の制止を振切って走り出しました。孤立……。寂しさに耐えかねて、キリストコスプレをした人へ挨拶してみたら、朗らかな挨拶が返ってきました。人間って愛おしいですね。キリストは人間ではないんですけどね(諸説)。

所沢キャンパスが一つ休憩所になっているのですが、その体育館で運動会が催されます。まだそれなりに体力がある時間帯だったため、私も参加しましたが、後に悔やむことになります。夜の分や2日目の分の体力がここで削られました。ユーモアと悪意で開かれた運動会は正しく洗礼であり、おふざけがおふざけでなくなる瞬間を楽しむことができます。

足の甲に激痛走りました。100ハイ後も一週間くらい痛んだので、普通に骨がビートされていたと思われます。入学式で隣の席に座っていた子が、木の棒を杖として渡してくれました。私はよっぽどおかしな歩き方をしていたのでしょう。話すのは入学式以来でしたが、すぐに打ち解けました。これだけの人数で同じ目標・同じ苦しみを持つ機会は、大学生活でもそう多くありませんから、この点に関しては本当に100ハイへ参加して良かったと感じています。渡された木の杖は、端正で流麗な曲線、丈夫さを持ち、私の第三足として機能してくれました。私の足の甲の骨よりよっぽど耐久性があった棒は、結局ゴールまでずっと一緒だったのですが、邪魔なので閉会式の後に戸山公園の腐葉土へ刺して帰りました。

ゴール時の大隈講堂

ゴールした時の大隈講堂は美しすぎます。その直前に歩く高田馬場早稲田間は感動的すぎます。比喩ではなく涙が溢れてきます。次の日の足が痛すぎます。100ハイは総じて痛いのですが、せっかく早稲田大学に入ったのだから参加しておくが吉らしいですよ。Paypayよりお得なのでマジで参加した方が良いです。今年の100ハイ参加費はPaypayで払わせてください(お得なので)。

【皆様へのお願い】
第59回本庄〜早稲田100キロハイクはクラウドファンディングを始めました。2回の開催断念もあり、開催が危ぶまれる状況です。早稲田の三大イベントとして存続させるため、実行委員会一同頑張って参りますので、ご助力よろしくお願いいたします。下記URLより、お待ちしております。
https://camp-fire.jp/projects/view/566268

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