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ピットインにて考える(逆噴射小説大賞2023二次選考結果発表に寄せて)。

 RTGです。いつも大変お世話になっております。
 職場の忘年会から帰ってきてそのままキーボードを叩いています。つまり酔っている。乱文になることをお許しください。


 本題。
 逆噴射小説大賞の二次選考結果が発表されました。

 昨年に続き、今年も応募上限は一人につき2発まで。
 自分も2発撃ちました。結果はこちら。


 一発目:討手は闇に→二次選考落選。


 二発目:セイント→二次選考突破。


 結果:一発命中。


 昨年に続いての両弾命中はなりませんでしたが、兎にも角にも一本通過しました。最終選考ステージへのピットインが果たせたので、ひとまずは上出来です。


 それにしても、今年は本当にヤバい。
 一人2本というレギュレーションは去年と変わらないのに、応募数が260本→300本近くに増えた。しかもどの応募作もえげつなくクオリティが上がっている。全6回中第4回から参戦した身で言うのは憚られますが、体感では間違いなく今年が一番エグかった。
 それでいて二次通過したのは、昨年の110本に対して今年はわずか72本。いやいやいや魔境か?????? 
 
自分は常々「逆噴射二次選考突破のハードルは高い。ドラゴンボールで言うとナッパ撃破くらいの所業」と言っていますが、今年に限ってはナッパじゃ足りないです。地球襲来時のベジータ。暴力的なまでにハイクオリティな作品は例外として、撃破には実力だけでなく運も相当求められる。それこそヤジロベーがベジータの尻尾をぶった斬るくらいのミラクルが必要。そんな印象です。

 そういう阿鼻叫喚のカオスの中で、どうにか一本通過した。
 この時点でそれ以上望むことはないのですが、敢えて落選した『討手は闇に』へフォーカスを向けてみます。おこがましい物言いですが評判の良かった作品であるのと、賞全体を見ても高評価の作品が多数落選していることに鑑みて、今のうちに思う所を書き留めておくべきかなと思ったので。


 『討手は闇に』が落ちた理由について、後出しですが思い当たるフシはあります。
 いわゆる「依頼エンド」類型であること(話を動かしていない/ワンシーンのみで終わっている)、時代小説としてベタ中のベタであり新規性に欠ける、習作の域を出ていない等々。特に「依頼エンド」類型を避けることは、以前から賞の定石として広く認知されているものです。
 ただ、上に述べた諸々の要素は最初から承知していました。その上でフルスロットルで踏み抜いた。
 
今の実力で為せる限りで一番面白いものを書きたい。その一念で練り上げた結果、たまたま依頼エンドの形になった。やろうと思えば話をもっと動かせたかもしれないけど、変にわちゃわちゃ動かしても面白さが増幅するとは思えない。ストーリーを圧縮してブン回すのは『ロストジャイヴ』(昨年の応募作)でやり切ったから次はその逆、ストーリーを動かさずとも面白さが伝わる書き方に挑戦したい。
 総じて、現時点の筆力カラテ一本でどこまで行けるかを試したい。そういう向上心と、そして傲慢さが入り混じる姿勢で臨みました。
 
 結果自体は落選でしたが、めちゃめちゃ多くの方々に面白いと評価していただけました。まず何よりもそれが嬉しいですし、満足しています。本当に。
 その上で、物書きとしてのレベルアップ──逆噴射小説大賞に限定しない、もっと広い意味での実力向上──を考えると、これだけではいかんのだろうなとも思いました。具体的に言うと新規性/オリジナリティが薄い。実際書きながら「盲目の凄腕剣士が活躍しそうってこの筋書き、150年前のパルプよなあ」と思っていたので。それでも面白ければええんやろと思っていましたが、よしんばそうであったとしても足りない所から目を背けたらいかんなと。

 コンテストである以上、どうしても審査通過=優秀 審査落選=劣等 という二元論で考えがちですが、そんなに単純な話ではなさそうだなと思うのです。
 二次を通った通らなかったという結果。「面白かった」という生の声をたくさん頂戴したこと。そして、自分に至らぬ点が多々あること。それらはすべて別個の事象として捉える必要があると感じています。
 要するに、それはそれ。これはこれ。自分は落ちた方の作品も「面白さ」には未だに自信を持っています。ただ物書きとしての欠点はしっかり自覚しないといけないし、それを埋める努力をしないといけない。具体的な方法が分からないのが辛いところですが、少なくとも追求する姿勢だけは持とう。今はそんな風に思っています。



 どうあれ、時は待ってはくれません。
 間もなく最終結果が発表されるようです。
 過度に期待せず、依存せず、静かに待つことにします。

 


 それはそうと、

 ライナーノーツまだ書けてない。

 この土日で書けるのか。やれんのか本当にお前(殴打)。