百年の13年 その4

店名はすんなり決まった。
百年。
よく言われるがガルシア=マルケスの『百年の孤独』からではない。(若き日の又吉さんからも会計のときに聞かれた。)内田栄一の『きらいじゃ・ないよ 百年まちのビートニクス』から拝借させていただいた。
百年まちというのは死者のまちだった。本は幽霊みたいなものだと考えていた。死んでも生きている。見える人にしか見えない。幽霊に囲まれている本屋。
これは後付けになるのだけど、一世紀は0年から99年で終わり、100年経つと次の世紀がはじまる。そして0に戻る。それが繰り返される。その繰り返しが生と死をイメージしていた。

本は誰かの手から手に渡っていく。それを紡いでいくのが本屋の仕事。だからこそ、1000年前の本や100年前の本が残っている。残っているからこそ明日の本が作られる。

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