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百年防災社が考える防災とは②

 命に関わることが起きても行動の取り方は同じ。
「助けて!」と声を出す。助けて欲しい人はいないか?と周囲を見渡す、お互いの気持ち次第で助かる命がある。
「助けて!」と言えるかどうか、大切な防災の視点です。
 日頃から声を掛け合い、仲良くしている友人や家族だから助けを気軽に求めることができる。しかし、話をしたこともない人ばかりが周りにいたとき、「助けて!」の一言をすぐに発することができるだろうか。
 躊躇している間に再度揺れが発生し、より危険な状態になる可能性もある。

いざというときにすぐに「助けて!」と言える環境づくり

想像してみてください。
家にいて、地震が発生する。仕事から帰り、同居している家族と夕食を食べている。急な揺れで次の瞬間、本棚が倒れ、弟の姿が見えない。下敷きにはなっていないが、本棚で出口に向かう道が塞がれてしまった。本棚は重く、自身の力だけでは動かすことができない。壁に亀裂が入り、家の中にいるのは危険だ。その時、「助けて!」と隣人に声をかけられるだろうか。

 今、「できないかも・・・」と思った方は少し考えてみて欲しい。日頃から挨拶をしていれば、せめて引っ越してきた時に挨拶を交わしていれば、助けを求めやすいかもしれない。
 災害が起きていない時も同じ。よく、「昔の日本は、お隣さんとの醤油の貸し借りがあった」という話を聞く。日常でちょっと足りない、今すぐ必要と思ったものをお隣さん同士で貸し借りする関係性が築けているだろうか。

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何が起きても、みんなで生き延びること

 百年防災社は、災害時などを想像した時に気づく、「現状の関係性」を事前に気づけるよう機会を設けたり、被災生活が長引いた時、お隣さんだけでなく、もう少し広域における連携が必要になった時の地域の計画づくりを推進している。
 災害時に対策となる行動を具体的に描くための計画作成である。計画を作成する過程で周辺に住む人の顔が見え、その人たちがどのような困り事や課題を抱えているか、どんなことで補い合えそうかが見えてくる。
助け合える人のつながりが醸成していくのである。

 なぜ、助け合える人のつながりを作るのか。それは、生き延びるため。何が起きてもまずは自分で自分の命を守り、次にお互いに助け合い、乗り越えるための備えをするため。
 そして、一人一人の人生を豊かに送り、人生を「生きる」。そんな助け合いの上に成り立つ世界を日本中、世界中の方々と一緒に作ることを目指して、日々「防災」を子どもから大学生、ママ、パパ、町会の先輩方と一緒に考えている。

災害時に生き伸びるために、「何を」備えるべきか?

では、具体的に「何」を備えればいいか?と疑問を持つ人もいるでしょう。

① 自分の家庭に必要な量の備蓄品
災害時、商店から品物がなくなってしまったとき、食料は手に入りません。
水道が止まってしまったら、備蓄トイレがないと用を足せません。
そのような状況にならないように、自分の家庭分の生活用品の備蓄は、自分たちで備えておきましょう。

②家具転倒防止対策
大きな揺れが起きるなどの災害が発生した際、揺れにより家具が倒れる可能性がある。家具の下敷きになってしまったとき、命を落としたり、けがをしてしまうため、倒れないように固定して対策をしましょう。もしくは、低い家具しか置かないなど、危険な状態になる家具配置をしないことも必要です。

③ 家族との安否確認方法の共有
家族みんなが揃っている時に、家で災害が発生するとは限らない。それぞれが違う場所にいて、電話なども繋がらない場合、どれだけ時間がかかっても、どこに集合するのか、連絡手段をどうするのか、「約束事」を家族で決めておきましょう。

④ 助け合えるご近所同士のつながり
災害が発生し、家の中でけがをしてしまって、誰も助けを求められない場合、「助けてくれる人」、「安否確認に来てくれる人」はいるだろうか。
けがをしてしまったとき、すぐに駆けつけて助けてくれる人は、遠くに住む友人や親戚ではない、ご近所さんだ。いざというときに「助けてくれる人」、「助けたいと思う人」はご近所にいるか、振り返り、ご近所との関係性を築いておくことが大切です。

まずはできることから!今日から一緒に「防災」について考えていきましょう。

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