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2冊目

2冊目
『4』(青松 輝/ナナロク社)

ところで皆様、短歌はお好きでしょうか。

わたしは短歌がだいすきで、小学生が授業で短歌を書かされるあの時間をたのしめていた、めずらしいタイプの子どもでした。

たった31文字で構成される短歌のよさは、理屈じゃない!って感じがして、たぶんその100倍の文字数をつかっても上手く説明できる気はしないのですが

国語の授業で知った俵万智さんをはじめ、
鈴掛真さんやくどうれいんさんの短歌に、何度も救われています。



そんなわけで、現代短歌のコーナーで、最近どどん!と展開されているこちらを2冊目に選びました。昨日に引き続き、何も記念すべきことはない記念すべき2冊目です。



装丁超かっこいいな〜と思っていたら、なんと大島依提亜さんのデザインでした。
「たかが世界の終わり」という映画のパンフレットとか、めちゃくちゃかっこよかったですよね。



で、読了。
はちゃめちゃに好きでした…。

なぜだか浮かんできたのはあの歌詞。
「100万人のために唄われたラブソングなんかに僕はカンタンに思いを重ねたりはしない」

抽象的で誰にでもわかりやすく読みやすい短歌というより、具体的で感情移入し難い、分からないものも多くて、もしかしたら多少人を選ぶのかもしれません。
でも、言葉で上手く言えないけど、なんかいい。なんかすき。

100冊の本に救いを求めるpop 2/100

たとえば、

8個ある消火器をきみが片づけるまでをただ待ってる あと6個

これ、めちゃくちゃすきだったんですが、全くもって、わかる〜!とかじゃないですよね。

初恋を思い出したりするのかな、
コールドスリープ後のわたしって

神はまだ見たことないし、あると思う
あなたが神である可能性

とかも、すごいよかったな。
なんかいい、なんかすき。

青松さんがご自分のnoteに載せていたこの文章も。

しかし、ときどき、魔法のような一首に出会うことがあります。それは他人の短歌だったり、自分の短歌だったりするのですが、自分でもそのときは何を見ているのか分からず、光っているのはマジカルな瞬間で、それは生きることの魔法みたいな一瞬にも似ていて、すぐに忘れてしまうから、欲しくなるのは次の魔法です。


でも一番、良~!となったのは、読了してすぐ見に行った青松さんのTwitter(X)

転売ヤーが青松さんのサイン本を高値で売ろうとするのに、
全力で食って掛かっていた。
強い。元気出る。



「さわれないじかんぐすりをしんじれず ひゃくさつのほんに すくいをもとめて」

100冊の本に救いを求める短歌

あと98冊!


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