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ラストエンペラー

弱いけど強く

優しいけど厳しく

芯のある人

最後に会ったのは3年前。
人と人が普通に会えていた時。
普通ってなんだ?って思う。
会いたくても会えなくて、会わせたくても願いは届かない。
そんな普通なんて嫌いだ。
日々の忙しさを言い訳に、コロナで会えないという諦めに似た言い訳で行動しなかった。
近い将来、訪れるであろう現実世界でのお別れははっきりと頭と胸の中にあった。

何年前なのか覚えていないが会いに行った時に半分冗談ぽく、半分本気で現実世界との別れについて話していた。
いま自分の最後を考えるのは怖い。
けれどばあちゃんは何年も前から、少なくとも僕と話したその時はすでに笑いながら話してくれた。
自分が生きてきた時代よりもはるかに厳しい時代を生き抜いてきたばあちゃんは強い。
記憶を思い返すといつも笑っていた。
そして大人になってから気づく、カッコよかった。
優しいけど一般的には怖いじいちゃんと長年一緒にいたって事実だけで尊敬しかない。

結婚や子供の話しもしたけどあの頃の自分では結婚なんて、ましてや子供がいるって事を想像すら出来なかったけど時が流れ3年前に新しい家族を会わせることが出来て本当によかった。
最後にもう一度大きくなった息子を会わせてあげたかったな。
テレビ電話とか色々と便利にはなったけど、直接会うこと、会えることの良さは何にもかえがたい。
時代の変化、進化と言えばそれまでだし自分も
それに恩恵を受けているひとりだ。
だけど大切な人には直接会いたいなと思った。

ばあちゃんの気持ちとして北海道には帰らず東京で頑張るんだよとのことだった。
最後までカッコいいな。
年末に手を合わせにいきます。

じいちゃんもそろそろ寂しがってただろうから今ごろばあちゃんが来て喜んでるだろうな。

ばあちゃんの孫でよかった。、
ありがとうございました。

ps じいちゃんが座っていたデカくて真っ赤なレザーのひとりがけソファにじいちゃんが亡くなった後に座っていたばあちゃんはラストエンペラー感があったのを今でも覚えいます。

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