極私的極彩色アンサーの歌詞考察と解釈【ガルクラ】
ガルクラは終わらねえ!どころか終わってから筆が乗ってしまっている男です。
最近ガルクラの歌詞解釈をするのに夢中です。
トゲトゲの歌詞は基本桃香が書いてると思うんですが、トゲトゲのメンバーは全員境遇が似通っているため、メンバーそれぞれがどう受け取っているか、5通りの考察ができて面白いんですよね。
境遇が似通っているというのは、全員居場所がなく、飛び出して、結果的にトゲトゲを結成しているというところです。
桃香は方向性の違いからダイダスを飛び出して1年間孤独のソロ活動、仁菜は学校にも家にも居場所がなく東京(川崎な)に出てきて、スバルは演技の道へ進むつもりもないのに親元を離れてアクターズスクールへ、智は母親の浮気かなんかがショックで高校をやめて家を飛び出し、ルパは親と死に別れて孤独の身です。
ルパはちょっと境遇が違うので想像しづらいのと、スバルちゃんは深刻度が低いのであんまりなのですが、まず桃香がどういうつもりで書いているのかを考えた後、仁菜はどう捉えているのか、智はどう捉えているのかを考えると面白いです。
劇中でやってた曲はかなりストレートなものが多く、また前後の文脈が作中に存在するので解釈がわかりやすいのですが、アニメ放映以前にリリースされた楽曲の考察はなかなか歯ごたえがありますね。
基本的にはトゲトゲ結成以降に書いていると思われますが、桃香の人生のどの部分を切り取った曲かという前提がないと、こうも考察がむずかしくなるかと思わされます。
空の箱のほうがだいぶ考えやすかったですね。空の箱が何の曲かよくわかってない人はよかったらこちらもどうぞ↓
さてだいぶ前フリが長くなりましたが今回は『極私的極彩色アンサー』です。
https://www.youtube.com/watch?v=8eFicWRSgT8
MVは2023年の10月にリリースされていて、27万再生とけっこう回ってますね。
なぜこの曲の解釈をやるかと言うと今僕がめちゃくちゃハマっているからです!超かっこいい!
曲入りの部分最高ですね。
ギターと歌から始まり、ピアノがきて、ベースがきて、「アンサー」のところかっこよすぎます。
先に全体となんとなくの雰囲気を伝えておくと、この曲の歌詞は桃香さんがテンションアゲアゲのときに歌詞書いてると思いますw
多分ですが8話でダイダスに喧嘩売って、11話のBAYCAMPまでの間に作ったんじゃないかな。そういう意味では空白とカタルシスに近い位置取りの曲です。
タイトル『極私的極彩色アンサー』に込められた意味とは
まずはタイトルの解釈からいきましょう。
普通に意味を取ると極私的はそのまま『極めて私的な、私事な』という意味、そして極彩色は『色とりどりの』という意味です。極彩色の蝶、極彩色のオウム、とかいいますよね。派手な色がいくつも取り合わさっているかんじです。
『極私的』はあまり馴染みのない言葉なので、ググってみると検索結果には『極私的映画』とかがでてきますね。極めてプライベートなことを描いた映画のことを極私的映画というらしいです。
他には、極私的意見、とかそういうかんじで使えそうです。
めっちゃ私の個人的な、っていう意味なんですが、それだとタイトルの解釈としては今ひとつ面白みがないんですよね。
そんなんいったら桃香の歌詞なんてぜんぶ極私的なものですからね。
極彩色と取り合わせのいいワードとして極私的とつけた説もありつつ。
もっと面白い解釈はないかな〜と想像たくましくしました。
そこで僕が思いついたのは、別の意味で『極私的』を使っているのではという説です。
普通なら『極・私的』と切って、極めてプライベートな、という意味で取るところ、
『極・私・的』で分けて意味を取ります。
私的を、ワタシ的 = 私っぽい、と読むわけです。
つまり
ということですね。そうするとこのタイトルは「とても私らしい、色とりどりの解答」みたいな意味合いです。
僕が思うに、極彩色はたぶんトゲトゲの面々のことだと思います。個性豊かなメンバーだし、なにより桃香が『極彩色』と表現したいほどのものが他に思いつきません。
音楽をやめようか迷っていたけど、とても私らしい(私らしくいられる)、個性豊かなバンドを組むという解答を出せたよ、ということなじゃないかなとおもいます。
めちゃめちゃ平たくいうと『トゲトゲさいこ〜』になります。アゲ↑↑だね〜。
ウチらサイコー!!↑↑
追記:
メンバーを極彩色で表現するというのは結構色んなところで見かけることに気づきました。
たとえばOP
担当カラーは
仁菜→赤
桃香→青
すばる→緑
智→ピンク(紫)
ルパ→黄色(オレンジ)
です。
ライブシーンでも意図されてますね。
それぞれの担当色の糸の演出がたまに来るのは気づいてましたが、極彩色ってこれのことかと繋がり、ストンと腹落ちしました。
ライブシーンの照明演出も、出演メンバーのカラーの照明がかならず照らしています。
5話 視界の隅 朽ちる音↓(3人編成)
歌詞解釈
タイトルが分かってきたところで歌詞に入っていきます。
基本的にはまず歌詞を見て意味が取れるかを考え、意味がわからなかったらヒントを求めてMVをみたり、英語歌詞をみたりします。そして想像をたくましくして解釈を考えます。
この英語歌詞を見るというのが結構革命的でした。
実はトゲトゲのMVは、YouTubeの固定コメントに歌詞が乗っていて、日本語歌詞の下に歌詞の英訳が付いてるんですよね。(曲による)
例えば歌い出しの
に対しては
という英訳がついてます。
英訳がつくことで、日本語ではどっちに言葉がかかるのかが分からない表現の関係性がわかったり、ひらがなで「とく」と書いてあるのが「解く」なのか「説く」なのか「溶く」なのかわかったりします。
まあ実際にはあえてひらがなで書くことで「解く」「説く」「溶く」の3パターンの意味を同時にもたせていて、英訳時にはそのトリプルミーニング的な要素は欠損している、という可能性もあるので、英語が必ずしも真実でもないとはおもいますがヒントとしては面白いです。
さてようやく歌詞の解釈に入ります。
これは多分ギターのことだと思われます。
トゲトゲ周りで藍色なものが桃香のギターしかないことと、後ろの「鈍色の最適解」がギターの弦っぽいからです。
ギターを掻き鳴らしているところが溶いているようにも見えなくないし、弦が振動してブレているところは解けているようにも見えます。
「最適解」というのは、超かっけぇギターフレーズってことだと思います。
そして次の
の「思考回路」がどこにかかってくるのか分かりづらいですが、ここは英語歌詞が
とあるので、「思考回路が挑む」という意味の取り方で良さそうです。
「吐息の証明」は2つ意味が取れるなと思っていて、「生きているって証明する」的な意味か、そうでなければ歌声のことではないかなと。
呼吸していることを証明するには、声を出せばいいですよね!!ってことです。
歌を「吐息の証明」と表現してるとしたら、この歌詞オシャレすぎだろ!この曲で一番好きなフレーズかもです。
直前の1行が『かき鳴らす超かっけえギター』という意味なので『考え抜いたかっけえ歌歌うぜ』みたいな意味でいいような気がします。
更にいうと次の
ここもたぶん『智ちゃんのイケてるピアノ』的な意味なんじゃないですかね。
ちょうどこの小節から、智ちゃんのピアノが高音から降りてくるシビれるフレーズが始まるので、純白が白鍵、漆黒が黒鍵なのは間違いありません。
「あっこれピアノのことか!」と気づいたときはマジ震えました。
これは『(かっこよすぎて)クラクラきちゃって常識もアンサーもどっか行っちゃうよ』的な意味だと思われます。
英語だと
とあります。Common sense and answers fadeなので、「眩む常識 と アンサー」ではなく、眩むが両方にかかっていて、常識もアンサーもfadeするということがわかります。
そして"Answer to Extreme"が逆に日本語歌詞にない部分として付け加えられてます。そのパターンもあるんかい。
"Answer to Extreme"は、この曲の英語タイトルでもあります。
Extreme(エクストリーム)は過激・極端・行き過ぎ、みたいな意味です。極限状態で行う命がけのスポーツのことをエクストリームスポーツとかいいますよね。ミスるとまじで死ぬやつ。
toは「〜への」という意味で、何かに向けているというニュアンスが強いので、ダイダスへのメッセージなのかな〜と思ったりしますがどうなんでしょうね。行き過ぎた商業主義への私たちの解答的な意味なんでしょうか。うーんちょっと違いそう。
ここは解釈の幅がありそうで、僕もまだ良くわかってません。ひらめきのある方はぜひコメント欄へ。
さあ、ここまでの解釈で何となく分かってきたでしょうか。
『この曲は桃香さんがテンションアゲアゲのときに歌詞書いてます』の意味が・・・
だいぶ強いですよね。ウチらサイコー感が強いです。
他の劇中曲に比べると、だいぶボカロっぽい言葉の並べ方なので、もしかして智ちゃんが歌詞書いたのかな〜とも思ったのですが、beni-shougaの心象的フラクタルはこういう歌詞調じゃないので、まあやっぱ桃香さんが書いたのかな?
凛として時雨感もありますよね。
Spotifyで公開されている、劇中ライブのセットリストによると、BAYCAMPで演奏しているようです。
未来のトゲトゲはわかりませんが、この辺は桃香さんが歌詞とデモをもってくる体制で楽曲制作してたと思うので、たぶん桃香の作詞だと思います流石に。
さてそろそろ続きいきます。長くなりそうなのでテンポアップしていきます。
最初2行は、極頭とほぼ同じこと歌ってる気がします。
あえて解釈するなら
これはルパのベースのことかもしれないですね。
藍色は桃香のギターで、それを下支えするというか、わからせる(=説く)くらいブリブリに歪んだルパのベースの存在感。程よい歪み感を不純物といっているのか、ギターの音域よりはベースの低音域は不純物と言えそうな気もします。
なによりここのフレーズはベースがかなり前に出て来ていてかっこいいフレーズなので、より説得力を増しますね。
「鈍色の」を共通させているので、弦楽器のことだろうなとは思います。
これは仁菜の歌のことですかね。感情のこもった吐息の証明 = 歌。仁菜の歌の話は2回目ですが桃香の歌詞に仁菜がいっぱいでてきちゃうのはしょうがないです・・・しょうがないですよね?
でもこの曲、ドラムの話がでてきてなくない?スバルちゃんを軽んじることは許さんぞ!
・・・さて問題は次ですね。
ここは正直よく意味わからないです。緋色のクエスチョンってなんなんでしょう。
(追記)緋色・赤色は仁菜の担当カラーなので、緋色のクエスチョンは仁菜からのクエスチョンってことですね(追記終わり)
仁菜に「私はそういうことを聞いてるんじゃないんです!桃香さんは〜なんですよね?〜って思ってるんですよね?」って散々耳に痛いこと言われてたやつのことでしょう。
「純真に問う 極彩の真相に」は、極彩がトゲトゲメンバーのことだとすると、「私たちの本当にやりたいこと(真相)を自分の心に正直に考えたら」的な意味かなと。
まとめると
『やりたいことにまっすぐ向き合ったら、聞きたくなかった仁菜の正論もスッと認められるようになった』
みたいな意味なんでしょうか。だとすると解釈としてはわりときれいなんですが、ただ一つ、仁菜が緋色かといわれると、うーん、諸説ありますよね。
他に緋色っぽいものがないので一番マッチしてるかなとは思うのですが、個人的には納得感は今ひとつです。(追記: 解釈が深まり、仁菜=緋色で納得しました)
そしてサビ前
ここも「セオリー」が良くわからないですね。
「真実だけを今録音」は、トゲトゲにとっての真実、つまりやりたい音楽をだけを曲にするということだと思います。
セオリーは、日本語だと「定石」的な意味が主流だと思いますが、これだと意味がわかりません。
英語だと「(確立された)理論」みたいな意味なので、こっちのほうが意味の通る解釈がしやすそうな気がします。
「私たちの音楽の理論(というか音楽スタイル)」をしっかり捉えた楽曲を完成させられるように自分の感覚を研ぎ澄ませ、それを録音せよ!という意味かな?とも思ったのですが、英語だと
"you don't miss"なので、お前見逃すなよ?というニュアンスっぽいです。
ということは、視聴者かダイダスに対して「私たちのセオリー(表現したいこと・狙い)をしかと見よ!見逃すな!」っていう意味かな〜と思うのですが、ちょっと抽象度が高くて難しいですね。
無理やり劇中に紐づけるとすると「私たち(の主張 = セオリー)が間違ってなかったって、いってやりますから!」のことかもですね。
とはいえ、それを「狙うセオリー 見逃さぬよう」という歌詞にするのは、ちょっと婉曲すぎる気もしますね。
ついにサビです
1行目はわかりやすいですね。
「今のダイダスは売れてほしいって思ってるし」「別になんとも思ってない」という強がりの仮面をぶち壊したら、ということですね。
アニメでは描写はありませんが、Spotifyのセットリストによると極彩色アンサーは11話のBAYCAMPで初めてやってる曲なので、8話で仁菜にビンタされてダイダスに宣戦布告した後に作ったのかもな〜とこの辺で思いました。
2行目は、
「免疫も死んだ。嘘だらけの世界塗りつぶせ。」で二文なのか
「『免疫も死んだ嘘だらけの世界』を塗りつぶせ。」で一文なのか2パターン解釈できますが
英語だと
なので、「免疫を失った世界」を塗りつぶせということですね。一文です。
ここで大事なのは免疫とは何かということですね。
免疫とは、悪いものに抵抗して浄化する力です。不浄なものに耐える力です。まんま抵抗力とおきかえてもいいかも?
抵抗することをしなくなった世界を塗りつぶせ、ということで、これはダイダスが事務所の圧に負けてしまってアイドル売りになってしまったことや、桃香自身が抵抗を諦めて脱退してしまったことなどを指している気がします。
そしてサビラスト。
ここはわかりやすいですね。
仮に誰にも届かない(=売れない)としても、私の歌をやる
それが私たちにとっての「正しさ」、それを貫く
この曲は、ただその証明
ということだと思います(たぶん)
再び立ち上がる覚悟の曲ですね。かっけ〜
うーん桃香さん、だいぶテンション高いぞ!
想像ですが、脚本案の中に、アニメ11話のBAYCAMPのステージでこの曲をやる案もあったかもしれませんね。
楽曲的にも歌詞的にも(ドラム以外は)全員が見せ場があり、覚悟を決めダイダスに立ち向かう曲としてはとても格好がつきます。
それに、歌詞が普段桃香が書く感じとは明らかに違うので、仁菜が歌詞を書いたとするのも成り立ったと思います。
さてもうちょっとです。が続きはそのうちかきます。
以下下書き
またでてきましたねセオリー。やっぱセオリー難しいです。
ここもおそらく1番と同じで「お前たち耳を澄ませよ」「お前たち、間違えるなよ」という語りかけだと思われます。
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