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All the world's a stage.


久しぶりのnoteです。やっほやっほー!

ふとももみんな好きかと思って、画像設定してみた。笑
これはプライマリーエチュードって舞台のキャラビジュなんですけど、この記事は告知とかじゃないです。
この本番乱立期に、全然関係ないやつ。
もちろん舞台もご来場お待ちしてます!

画像につらつら文字を書く毎日日記は楽しいので続けられそう。みてくださってる人いるかしら。
noteはもっとたくさん文字を書きたいときにやっぱり居心地がいいSNSだね。好き。


初舞台がちょうど10年前の夏だったと気付いて驚いて書き始めます。
懐かしさと、今の演劇の話。


私が舞台演劇を始めた20代前半の頃って、チケットが死ぬほど安かったんです。
初舞台が前売1000円、当日は1200円だった。リピートは500円。
格安。
大丈夫か。
他の舞台でも1500円2000円なんてよくあって、学生なら更に500円割引とかザラで、私もそのおかげで沢山の演劇を見た。毎週ハシゴしたりしてた。
500円演劇とかもあって、本当に楽しかった。
あの頃の演劇で成長も勉強もさせていただいた。


あの頃は物販みたいなのもほぼなくて、あっても台本くらい。だけどそれもキャストが顔合わせでもらうような、コンビニでコピーしてきたやつ。
300円とか500円とかで売って、飛ぶように売れてた。

Tシャツ作るとかってだけで大騒ぎで、
どちらかというと自分たちが欲しくて作って、残ったら売ろうくらいの不思議な物販。笑
ブロマイドもなかった。
舞台フライヤーとチケットに力を入れてた。
このデザインがちょっと可愛いだけでめちゃくちゃ同業者に褒められたりして。
それをファイリングしてる友達もいたなぁ。

置きチラシをお願いしに飲食店を回ったり、
駅前でチラシ配って、チケットを直接売ったりもした。
本番当日の朝だってやった。
衣装を着て歩いて。
演劇なんか興味なさそうなカップルがチラシを持ってきてくれた時のことを、感動したのを覚えてる。

稽古打ち上げでみんなで行った居酒屋で、隣の席のおじさまたちに声をかけて楽しく飲んで、チケット売ったりもした。
忘れてたのか、興味を失ったか、
その人たちが当日観に来ないこともあったけど、名前も顔もよく知らない私たちのチケットを買ってくれた気前の良さでお釣りが来る気分だった。


演劇が、演劇を作るプロセスが、好きだった。

予算のことを考えて無かったのは若かったからか、バカだったからか、時代なのかわかんないけど。



本当はあの頃のワクワク感だけで、
ホスピタリティともいえないようなお芝居への愛情だけで、日々を健やかに生きていけるならチケット代なんかもっと安くしたい。(私個人はね)

でもそれじゃ物理的に生きられなくて、私の場合は造形とか納品とか撮影とか他に仕事をしてなんとか生活できて、人によっては稽古を圧迫しない時間、早朝深夜とかでバイトなりしてて、
集客力や物販販売率=人気がなければ次はキャスティングもされなかったりする。
前回の集客を聞かれて、少し言い淀む。
舞台が被ってたもんね、と慰めてくれる先方に項垂れる。


活動の仕方はほぼ変わってないのに、出会う人は増えているのに、お客様は減っていく。
これってなんでなんだろう?って思って考えてて
・チケット代が高くなった
・魅力的な演劇、娯楽が増えて趣味が分散した
・不況
みたいなのとかあると思うんだけど、
でも不況でも値段が上がっててもチケット死ぬほど売る人はいるし、連続で公演に出てもそれが落ちない人もいる。
気になる人が10人いた人が推しを1人に決めた結果、残りの9人がお客様を失った感じにも近いのかしら。
やっぱり本人が突き抜けて魅力的かどうかなのか…魅力ってなんだろう。認知度かな。
正直演技力だけではお客様って増えないなと思うんです。


「有名店に並ぶ人は数字を食べている」みたいな言葉があるそうだけど、演劇においても一部同じようなことが言えちゃうのかもしれない。
人気だから、○○で面白いって言ってたから、何万人が訪れるらしいから、とか。
実際、演劇をしてると言ったら「一番有名なの何?」って言われることはある。
誰もが知るような有名作に出ていたらこの人にとって私は価値がある人間だったんだろうな。


10年前とかは私が若い女の子だったからついてくれてたお客様もいたと思う。
若さとか無知とか伸び代がありそうとかいう魅力。
「出かける時はお金を払うし、全部の舞台に行くから付き合おう」って言われたこともあった。
本名も何も知らないお客様で、すごい事言う人がいるんだなぁと感心したりした。(もちろん付き合ってません。笑)

気づいたら名前を見なくなった方もいたし、
結構覚えてるもので、たまに、顔や名前が浮かびます。
元気にしてるかな?と思います。
あの作品の時の衣装好きだって言ってくれてたなとか、
時代劇とか和装系だと必ず3回きてくれてたなとか、
物販かならず2こずつ買ってくれてたなとか、
一生応援します!って言ってくれたときの照れたような顔とか。
人も環境も時間が経てば変わるし、本当に一生応援できなくてもいい、例えば地方にいて舞台を観に来れないだけでなんとなく好きでいてくれても、全部嬉しいし嬉しかったなと思う。
あの時の一瞬でも、好きと思ってくれてありがとう。それしかない。
まじで3年ぶりくらいにふらっと舞台来てくれたりしてて、でも最近面会あったりなかったりだから、面会に出られないターンで悔しかったりもあったなぁ。

私の場合は、昔は共演者に(悪くいえば接点が少なくてもとにかく連絡先がわかれば)たくさん告知を送ってたから、付き合いできてくれた人はもいたと思う。
でもきてくれた人みんなの舞台にかならずは行けなくて、そうなると「舞台来てくれた人のものに優先的に行くようにしてるからごめんね」と返事が返ってきたりする。
顧客は大事にせにゃいかん。ごもっともである。
年間10本とか舞台立ってた時は特に時間的な余裕がなくて、興味があっても観劇してられなかったりした。
そもそもバイト週5とかでしてたし、演劇を演るために全振りしてたんだよね。それは私も仲間も同じだった。


今は、これはお勧めだ!!と思える作品を
絶対に来て欲しい、見て欲しい身内を優先で送ってるから、演劇関係者がどっさり来なくなったことも集客数に繋がらなくなった要因なのかもなと思う。
昔のやり方で、「まだそんなに仲良くないけど仲良くなりたかった友達未満の知り合い」と友達になれないまま、「チケットを売りたいから連絡されてるんだ」って思われて切れてしまった縁もあるので、それが嫌で、今は告知連絡はとても慎重。そして怖い。1通に20分くらいかかる。


告知が来たお友達・知り合い各位、
行けない時とか都合合わないなと思ったら
私のご案内は既読スルーで構いませんので友達やめないでね。。


お客様増えない問題に終着点はなくて、
ここ3年くらいこんなことを考えては、続けていけるのか、続けているわたしに価値を見出してくれる人はいるのか、私が私をどう幸せにしたいのか考えては迷路に入っていくようなことなんだけど。

少し前に若い女優さんに、ある一定からお客様が増えなくてつらい、と相談されたことで感じたことがあって

その子って同業の私からみてて周りの評価もとても高くて一生懸命で、お芝居も自分らしさがありつつ上手でセンスあって、台詞覚えもよくて、ダンスやってたから体も使えて、あとすっっごい可愛いんですよ。
チケット特典を作ったり、バーイベント主催したり、誕生日オフ会したり、すごく精力的に活動してる。
でも、あるところからお客様の絶対数が増えないのだと。
新規さんが1人定着し始めると、常連に見なくなる名前が一つ増える。みたいな。寂しくて涙が出ちゃうんだと。

23の時の私、こんなに可愛くも無かったし、才能も努力も備えてなかったけど、チケットは何倍か売ってたなって。
そう思うと、この生きにくさ難しさはやっぱり時代なのかな、とも思ったんです。
この子が同じ年代で芝居をしてたら、無双だったろうなって思うから。
私も応援してくれるお客様(ファンと呼ぶのは申し訳ない気がしてあんまりいえない民です)がめちゃ多いというわけじゃないからしてあげられるアドバイスはなかったけど、相談できてスッキリしたようなのでよかった。
「1人のお客様が複数見にきてくれる努力をしながら、一つ新しいSNS運用を目指します!」と言ってました。
かっこいい。
私もミシンカタカタ作業動画YouTubeするかなっていったら、最初に登録します!!って言ってくれたから本当にいい子だなって思いました。ファン増えてほしい。むしろわたしもファン。



死ぬまで演劇やりたい。
興味を持たれる人になりたいなぁ。
もっと不特定多数に出会わないといけないのかもなあ。


そんなnoteでした。
あなたの意見もよかったら聞かせてね。

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