三大キャリアから格安 SIM へ乗り換える方法
長年使ってきた docomo から IIJmio に乗り換えて、もう1年半以上経つ。この話題になる度に移行を勧めているが、文面でまとまっていた方が読み返せるし説明の手間も省けそうなので、書いてみる。
「格安 SIM って何?」「聞いたことはあるけど難しそう…」など、認識レベルに多少の差はあれど、基本的には それについてよく知らないから決断に踏み切れない という人が大半だ。基本的に、人は知らないことに対する行動への敷居が高いので、この記事ではその敷居を下げることを試みる。
メリットとデメリット
メリット1. 月々の料金が下がる
格安 SIM へ乗り換える唯一にして最大のメリットだろう。当時 docomo を使っていた時は、月に 6,700 円~という状態だった。
月額基本料 743 円
Xi パケ・ホーダイ for iPhone 定額料 5,200 円 (7GB までのデータ通信
付加機能使用料 300円 (SP モードや docomo.ne.jp のキャリアメール利用料)
しかし IIJmio に移行してからは月に 1,600 円程となっており、ベースとなる料金だけを比較しても、実に 5,000 円以上安くなっている。
月額基本料(ミニマムスタートプラン) 900 円 ( 3GB までのデータ通信)
音声通話機能付帯料 700 円 (電話番号 090/080 を使うための料金)
いずれも通話料が含まれていないが、音声をやりとりする手段は今や電話番号を使わずとも LINE や Google ハングアウト、Skype などいくらでもあり、通話料を請求されるシーンは減ってきている。
データ通信で全てを賄うなら、電話番号をも捨てて更に 700 円節約するという選択もできそうだが、電話番号は通話じゃない場面でも何かと必要になるので付帯している。3GB までの通信で心許ない人もいるかもしれないが、2GB の追加クーポンをいつでも買えるので心配は要らない。私の場合、自宅と会社では Wi-Fi を利用できるので 3GB を超えたことはない。
メリット2. キャリアのロックインが少なくなる
御存知の通り、docomo・au・Softbank といった大手キャリアはユーザー囲い込みのためにこぞって 2 年縛りを設けており、端末料金の値引きと抱き合わせて契約させている。更には、使いもしないオプションを暗黙で付けさせられたりなど、ユーザーのスキや無知に漬け込んだ商売をしており、うんざりしている人も多いだろう。格安 SIM のプロバイダではこうした縛りが緩い or ない。
この商売構造については個人的にかなりうんざりしていて、思いの丈を書こうとしたら非常に近いことを及川さんが書いていた。
デメリット1. キャリアメールが使えなくなる
docomo.ne.jp などの、キャリアが提供しているメールアドレスが使えなくなる。もし移行先のプロバイダが提供していれば使えるが、使っていない。
メールは Gmail に統一しているし、連絡手段は主に LINE や Messenger などのツールが主なこの御時世では、キャリアメールはむしろ必要ない存在だ。
デメリット2. 各種窓口でのサポートを受けれなくなる
デジタル機器に疎い人は窓口でのサポートを受けることもあると思うが、格安 SIM を提供しているプロバイダは店頭窓口を用意していることが少ない。
準備するもの
SIM フリーのモバイル端末を用意する。Apple Store や Google Store、Amazon、Expansys などで購入できる。日本では特定キャリアの SIM しか使えないロックがかかった端末が販売されてきたが、利用者の自由を著しく奪うことを理由に、総務省では SIM ロック解除に関するガイドラインを発表している。将来的にはどこで購入した端末でも、SIM を選ばず利用できるようになるはずである。
最近発売されている端末であれば、既にかかっている SIM ロックも簡単な手続きで解除できるものもあるので、確認してみると良いだろう。
移行手順1. サポートサイトから MNP 予約番号を確保する
MNP 予約番号を取得し、移行先プロバイダへ MNP 予約番号を入力しつつ登録、移行先プロバイダから SIM が送られてくるので開通設定を行う、といった流れ。どのキャリアでも基本的に同じである。
各キャリアの MNP 転出手続きは、各サポートページからできるようだが、転出を防ぐためにかなりわかりにくくなっているので、まどろっこしい人は電話してしまっても良いだろう。
この MNP 予約番号には 15 日間の有効期限があり、移行が完了する前にこの有効期限が過ぎてしまうと何もなかったことになる。MNP 予約番号を取得したら、速やかに次のステップを実施すると良い。
移行手順2. MNP 予約番号とともに移行先プロバイダへ申し込む
MNP 予約番号は 現在の電話番号を移行先プロバイダでも使うためのもの なので言うまでもなく重要だ。移行先の申し込み時にも、MNP 予約番号を入力する箇所があるはずなので、漏れ無く入力すること。
IIJmio の場合は、申し込みをしてから本人確認のために免許証やパスポートの類の証明書のアップロードを求められる。無事にアップロードまで済ませると申し込みが完了し、プロバイダ側の手続きが始まる。SIM カードの到着までは繁忙期などによってマチマチだとは思うが、私の場合は1週間もかからずに到着していた。申込時に SIM カードのサイズを選択するが、現行モバイル端末のほとんどは nanoSIM である。
移行手順3. 送付された SIM カードで開通手続きを行う
SIM カードが到着したら、それを使って手元の端末をアクティベートする。指定の番号に電話するだけなので難しくない。
移行の手順4. APN 構成プロファイルを端末にインストールする
APN 構成プロファイルという、データ通信をするための設定を端末にインストールしなくてはならない。手元の端末を Wi-Fi 等に接続してインターネット上からダウンロードし、インストールする。
まとめ
docomo から IIJmio に移行したことで、月々 5,000 円程節約できた。余計なオプションもなく無駄が減っているので、精神衛生上良い。たとえそれが不要なオプションと感じていても、それを解除出来ないといったように消費者として選択の余地がなかったことが一番の不満だったのかもしれない。そんな中でも月々割のような形で実益があったから契約を続けていたが、それもなくなったので移行に踏みきれた。
今はまだ「移行の面倒臭さ」だったり「サービスの得体の知れ無さ」が先行しているので普及していないが、リテラシーの広まりだったりキャリアメールの衰退に応じてどんどん認知されていくと思う。大手3社は供給先を失う状況になるかもしれないが、サービスが良い方向へアップデートされるなら、それも必要な過程なのかなとも思える。利用者である我々に良い選択肢が増えると良いのだが。
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