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戦略なき仕組み化は、国家の破綻を早めるだけかもしれない。[くま日誌]317号


NHKスペシャルの「赤紙が来た村 ~誰がなぜ戦場に送られたのか~」という番組を先ほどまでオンデマンドで見ていました。

時代によって人生というゲームの難易度は大きく異なるものですね。戦前は赤紙という陸軍の兵士動員システムがありました。太平洋戦争前には45万人だった兵士数がわずか8年後、戦争末期には640万人まで膨れ上がっていたそうです。

どれだけ効率のよい動員システムを作り上げていたんだ、、、と驚きました。


自分は兵士動員の効率性については全く知識はないのですが、この短期間でこれだけの人数を集めるシステムを構築するのは、簡単ではないだろうなとは思いますね。

しかし先の大戦で日本は、大きな被害を出し負け戦を戦うことになったことは誰もが知るところです。

いくら完璧な効率の良いシステムを構築しようとも、その前にある「国家をどのように繁栄させていくのか」という戦略が間違っている場合、間違った方向に効率化させていくシステムができるだけではないですかね。


この赤紙という効率性を極めた兵士動員システムは、人員の損耗という被害を拡大させたシステムであると別の視点からこの事象を見ることもできますね。

私たちは、「仕組み化」とか「システム化」などと言うと手放しでそれは素晴らしいものである、もしくは効率を上げることは常に良いことである、と考えがちではないでしょうか。

しかし、この赤紙システムが教えてくれるのは、「間違った戦略に基づき、効率性を極めた仕組みというのは被害拡大のスピードを早めるだけである」ということですよね。


国家の繁栄というのは、私たち個人の繁栄に置き換えて考えることもできます。

例えば、とにかく毎日、好きではない仕事を我慢して実行しているとします。しかし仕事上の競争に勝つため、極限までの効率化を図るシステムを構築しています。


このような状態は人生の戦略に誤りがあるにもかかわらず、システムの効率化で局面を打開しようとしている状態とも言えるかもしれません。それは赤紙システムと同様、被害の拡大を助長する結果を招きかねません。

大切なのは「とにかく没頭できる対象を見つける」という戦略であり、そこを外してしまうと私たち一人一人が目指す幸福にはたどり着かないのではないかと思うのです。

この戦略=目標設定と言えるのかもしれませんが、こればかりは各人各様になるので、他の人がどうのこうの何を言おうが関係なく、自分で決めていくしかないものですよね!


■まとめ
・間違った戦略に基づく仕組み化というのは、赤紙システムと同様、悲惨な結果を助長する結果になりかねない。

・仕組みの前に大切なのは「戦略」である。

・私たち個人においても、このメタファーと同様、どのような人生を歩みたいのか、という国家戦略まで立ち返って考えることが大切なことである。




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