IT業界で「冗長性」という言葉はポジティブに使われるらしいですね。[くま日誌]337号


一般的に「冗長性」というのは「いたずらに長い」とか「無駄が多い」という意味で使われ、あまり良い印象を持たない言葉だと思われています。

しかしIT関連の業界では、良い意味で使用されているようで、どちらかというと「保険」的な意味で使用されてるようです。「冗長性」つまり余剰分があることでシステムの一時的な負荷に耐えることができるといった障害に対する耐久性が高いという意味です。

平時には一見無駄に見えるようなことでも、それが有事のバッファになるという意味では人生全般に対してこの考え方を応用することができるのではないでしょうか。


人生における不測の事態は多岐にわたり、予期せず発生するものですよね。そして、これらの事態は個人の生活、職業、健康、または財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

いくつか例を挙げたいと思います。

健康上の問題
突然の病気や怪我は、身体的、精神的、財政的に大きな負担になってしまいます。

職業上の変化
先日、自分の友人も転職先になじめず、休職になった方がいます。それ以外にも解雇、リストラ、または突然のキャリアの変更など様々なりリスクがありますよね。

家族の変化
自分の友人でも離婚により大きく生活環境が変わってしまった方もおられますし、また急に親の介護が必要になってしまった方もおられます。

自然災害
特に怖いのは地震ですよね。30年以内に大地震が発生する確率は70%と言われていますからね。


以前リスクに対する考え方を聞いたことがあり非常に参考になったので皆様へも共有できればと思います。

1つ1つのリスクというのは統計的には無視していいような確率にあります。例えば、清涼飲料水を1本飲んだところ糖尿病にはなりませんよね。

ですがこのような、統計的には無視した方が合理的である小さなリスクが私たちの人生には積み重なっていきます。


病気の例で言うと、不健康の食事を一度したところでそのリスクは無視できるほど小さいのですが、それが毎日続き、運動もせず、タバコやお酒も飲むという生活を、積み重ねることによりどこかで統計的には無視できるリスクが顕在化してしまうというメカニズムですね。

ここでの教訓は、リスクに関しては、「統計的に無視したほうが合理的である」というリスクを無視しない、ということになります。

これは冒頭の「冗長性」の話にもつながり、人生における過度な合理化はリスク耐性を弱めてしまう可能性があります。一見不合理に見える「冗長性」こそ大切にしていくべきではないでしょうか。

■まとめ
・リスクとは、無視した方が合理的であることを積み重ねた結果、顕在化するというメカニズムにある。

・つまり過度な合理化は、結果として非合理な選択となりうるのだ。

・リスクに関しては一見非合理に見える「冗長性」を意識し持つことが大事ではないだろうか。



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