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カンブリア爆発は交差点で起こる [くま日誌]80号


自動車事故の発生の割合としては、交差点での事故が50%を超えています。

交差点は複数の道路が交差し、様々な変数が集中する場所になります。横断歩道や信号機などの交通規制、また車両や歩行者も含めて多くの変数が相互に影響します。

これら変数の掛け合わせにより、不確実性が高まり、その場所だけで非常に多くの事故が集中するというメカニズムですよね。


少し単純化してこの変数がどれくらいになるのかを考えてみようと思います。

例えば、以下の数の変数があったとすると、600通り。
・横断歩道 2 (2つの横断歩道)
・信号機 3 (赤・黄・青)
・車両 20両
・歩行者 5人

さらに2つの道路がぶつかる、ということで
単純にこれを掛け合わせると、600×600=36万通りの変数になります。


一般道路では600通りだった事故変数が、交差点(複数の道路が重なる結節点)になると、36万通りになるので、事後の発生率が上がるというのも頷けますよね。

600が36万になるのですから、まさにカンブリア爆発と言っても過言ではないですね。


一つの専門性を極めていくことは、あるところからロジスティック曲線のように、時間経過に伴い増加率は低下します。

入社して3年目までは自分の成長も大きく感じられますが、5年、10年と時間経過とともに、仕事にも慣れると同時に成長を感じづらくなります。

先ほどの変数600を例にとると、
最初の3年で500くらいまで成長し、あとの10年で100の成長をするようなイメージでしょうか。


カンブリア爆発は、複数の専門性が交差する場所、つまり交差点で起こるのです。

複数の専門性を持つことで、私たちの頭の中に交差点を作ることができ、そこで、私たちが持つ可能性やアイデアは、爆発するのだと思います。


第二次世界大戦中、ドイツ軍が使用していたエニグマという暗号化機械は、当時の解読技術では解読が困難でした。

エニグマの解読に成功したのは、数学者、工学者、暗号学者、言語学者、チェスのチャンピオンという、異なる分野の専門家を集めて仕事をさせたからだと言われています。


私たちも、複数の専門性を持つことや、複数の専門性を持ったチームを創ることにより、交差点に入る切符を入手することができ、

交差点において、様々なアイデアが生まれたり、あたらしいことが実行され、世の中がよい方向に変わっていくのかもしれないですね。

■まとめ
知のカンブリア爆発は、交差点において発生する。

複数の専門性を持つこと、もしくは複数の専門性を持つチームを創ることなどにより、交差点へ入る切符を入手することができるのだ。



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