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男性育児休暇から考える「周囲の目」[くま日誌]161号


自分の上司は、インド人。その上の上司はアメリカ人。チームメンバーはマレーシア人、ニュージーランド人、中国人です。

今年の2月くらいに直属の上司であるインド人が入社したのですが、入社して3週間くらいで子供が生まれ、インドに戻っていきました。

制度として男性育児休業というものがあり、その後4カ月くらいですかね、お休みに入ってしまい、今週戻ってきました。


結構、強いなぁ、と言うか感心するところがあったんですよね。制度としてはあっても、なかなか、入社3週間で4か月の育児休暇取得は難しいよなぁと自分は感じてしまいました。

と思って、日本における男性育児休暇の取得率を調べてみると、取得されている方は13%程度なんですね。これ、インドだったら100%取得だろうな。


日本は制度としては非常に整っているにも関わらず、見えないなにかに縛られ、それを利用しないという傾向がありますよね。

一方でインドをはじめ海外は(制度がある場合はもちろん利用するのですが)たとえ制度が整っていない場合も、交渉してみようという傾向がありますね。

ー男性育児休暇から見る日本とインドの違いー
・日本人
 制度 〇
 利用 ×

・インド人
 制度 ×
 利用 〇


制度としては整っているが利用しない日本は、いったいなにに縛られているのでしょうか?多くの場合は「周囲の目」ですよね。

「ほかの人はどう思うのか?」
「ほかの人に迷惑かけれない」
「休暇中に自分の仕事が他の人に取られてしまうのではないか」

という不安が根底にあるのではないかと想像しています。


この男性育児休暇は一例なのですが、このように私たち日本人は「周囲からの目という縄に縛られて、自分が自由にできることに勝手に制限をかけてしまっている」傾向があるのではないでしょうか。

それにより、個人としての「生きる力」や「ボトムアップ力」、「道なき道をみつけていく力」とでもいうサバイバル力が弱体化している気がしますね。


求められるのは個のサバイバル力であり、それは「周囲の目」という見えない縄の存在を認知し、そこから少しづつ自由になるところからリハビリし、自由を得ていくことが大切なのではないでしょうか。

そして逆説的にはなりますが、周囲の目を気にして不安になっている状態というのは、周囲を信頼できていない状態と考えることもできます。

周囲の目から自由になるということは、周囲を信頼することなのです。

このような信頼感を醸成していくことで、私たち個人としても、引いてみたときに社会としてもよりダイナミックで面白いものになっていくのだろうと考えています。


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