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落語は偏在する

お笑いライブに行くようなノリで落語を聞きに行くようになった。かなりまんじゅう大帝国の影響が強いが、あとは寄席にぽつぽつ行っていたら、ちょっとこの人を追いたいなという若手の方を見つけたからというのもある。

落語にははっきりと階級がある。
完全な見習い期間の前座。寄席では開口一番、幕開けすぐの高座を務めるが、前説のようなノリなので香盤(寄席の出演予定表)には載らない。
次が二つ目。落語家、として活動を許されるが弟子は取れない。なので落語家だけど師匠とは呼べない若手。
二つ目を10年ぐらいやって真打になれる。寄席のトリができて、弟子が取れて、一人前。
今んところの私の認識。

前までは真打=落語家と思っていたので、落語を聞きに行くというのは、寄席や独演会のホール公演に行くことだと思っていた。
しかし今追っている贔屓は二つ目の若手さんなので、ぜんぜん小さいところでやる。カフェでやるし、商店街の一角でやる。

お笑いライブでお馴染み、なかの芸能小劇場でも新宿fu-でもやるので、慣れていてよかったなと思う。
というかこの二つのハコに関して言えばむしろそっち寄りのハコだし、先祖返りみたいなもんだ。
(芸小は言わずもがなだけど、fu-の運営永谷商事はfu-より先にお江戸両国亭という寄席を作っている)

完全にお笑いライブも若手の落語会もおんなじノリで見ているけれど、チケットの押さえ方はちょっと前時代で辛い時がある。

最近のお笑いライブだったら、アフターコロナも相まってウェブ完結がほぼで、大抵の場合チケ発予告してくれるし、tigetとかそこらへんのサービス押さえておけば事が済む。規模によっては本人Twitterへ取り置き依頼ってイメージ。
若手落語会の場合、落語家さんの自主企画ならまあイメージそこまで変わらないけれど、数多いる落語会主催者の数だけ予約方法がある。
法人としてやってる主催ならプレイガイドで扱ってくれるので1番慣れ親しんだ形でチケットが手に入る。
で、ぬるっと告知されいつの間にか始まっているメール予約が割と多い。で、予約状況がわかんないから恐る恐るまだありますか?と添えて送ったりする。
商店街のイベントとかだとまだFAXも有効だ。
主催の告知Twitterすらなく演者が告知して初めて知るイベントも結構ある。

そう、お笑いライブ主催の比じゃないくらい、落語主催が世の中にはいるという事実をお笑いファンの人に伝えたい。実際意識してみると、落語会めちゃくちゃ多いのだ。あなたの街のよくわからない空きスペースや、老人ホームや、寺や、魚屋に落語家は来ている。その数だけ主催がいる。

お笑いはライブ開催にそれなりにコストがかかる。もちろん和室とかあるけど、経費だけじゃないコストのはなし。
お笑いは1ネタ長くて10分がいいところだと思う。(そら!例外はあるさ!)それでイベント然とさせたいならある程度組数呼ぶか、複数ネタやってもらう必要がある。コーナーするという手もあるけど、それを回すにはノウハウが必要で、用意するものもよほど工夫しないとミニマムにするのは難しい。なかなかそこらへんの人が思い立って、お笑いライブやりたい!という気概だけでは難しいイメージ。
(比較的そこら辺がクリアになる大喜利が多く開催されるのは理にかなっている)

それに比べると(あくまで比べると)落語会のコストは抑えられるのだと思う。だいたい一ネタは15分ぐらいあるので、2人呼んで、2ネタずつ。OPトークでもしてもらい、間に仲入りと呼ばれる休憩入れれば1時間半ぐらいのイベントになる。たぶんこれなら、マメで気合の入った社会人経験のある人なら高座組めさえすればなんとかなりそうな気配がある。(楽だとは全く思わんけども)

おそらくそう言った理由も相まって、世の中若手の落語会がたくさんある。それに今って落語家過多な状況らしく、前座さん二つ目さんが溢れているそうだ。みんな腕ぶん回してて、ユニット組んだり活動が盛ん。生存戦略。
そういう意味ではお笑いライブシーンも若手落語家シーンもほぼ一緒なんじゃないかなと思ってて、fu-でバカ爆見た後にfu+で若手創作落語会見る、みたいな動線ができていいんじゃなかろうか。覗いてみたらそんなノリで落語を推しても全然許される世界だった。

ぜひそうなって、全てのチケットがtigetかライブパスかpeatixで抑えられる世の中になって欲しい…楽だから…。本意はそれです。

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