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おせち

もう正月も遠い過去に思える。
今年はおせちを買って食べた。帰省しない分関東にいる妹のところで何かしようと思って。おせちの文化のない家だったので、ちゃんと食べたことがなかったのだ。

なるほどこれはお茶請けとおつまみの詰め合わせで、こうして昼ともなく夜ともなくだらだら食べるためのものなのだなと理解した。
まあ別にもういい。もちのほうがうまい。あんこもち、きなこもち、くるみもち、雑煮をくう1月1日こそ正しい。こんどは永遠に餅を食い続ける正月であって欲しい。コロナめ。

お雑煮は簡易版を作った(妹が)。豚汁用の水煮の根菜に鶏肉をぶち込んだもので、だいたいうちの雑煮と認識する程度の味になった。、舌が繊細じゃないので、当たり判定はガバガバである。
ほんとはきちんととった出汁に千切りの野菜がもさもさはいって、セリがのって完成なのに、水煮野菜と本だしで大体一緒だろってなったんだからかなりひどいと思う。

念のため母に雑煮とはと聞いた時、「器の中の具が4種類にならないように」と言われ、初めてそんなルールになってるの知ったよと騒いだ。なんか、おせちもないし適当ですよ、みたいな感じなのにちゃんとそういう些細なとこに、それっぽいルールが潜んでいるの慄く。

お雑煮を食べながら、ばあちゃんの紋付の着物の話になる。あれは4人いる孫の誰かの結婚式で着るのためにあつらえたのだと言われたのだが、4人とも微塵も気配がない。みなあんまり自分以外の人を必要としていないよね、という話になり終わる。ばあちゃんにはすまないが、なんか、意味もなく着飾って欲しいと思う。

正月が明けても特に何もできないし、全くめでたくなかった。緊急事態で楽しみはまた遠のくし。仲の良い人とギャーギャー騒いでくだらない話でクダを巻きたいのにできない。

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