ドラマ解読シリーズ!「夏に恋する女たち」1983年第2回8月12日 誰にも内緒で
第2回 (*注意喚起。ネタバレご了承の上お読みください)
田村気怠目覚め。レイプ騒動や揉め事の連続、回想シーンで物語にあらすじが挿入される。
朝のマンションの1階にあるカフェバー。田村、原田、名取で戯れている。
タイトル
エレベーターホール。
原田、名取の隣で
人間の顔って横顔が大事んですよ。半分しか見えない、神秘性がある。
そうですね、と素っ気ない態度に、そのいい加減な答えがいい。男を惑わすと。
エレベーター内の原田、名取向かって言う。
原田: あんた、レイプされたことあるでしょう?
名取: 色々言うのね
名取は自分の部屋でイラつきながら霧吹きスプレーを手にする。ずけずけと勝手に話し、近寄って来た原田の振る舞いにキレて、一人毒付いて植物に話しかける。水やりをしながら。男なんて、みんなそうなんだからと。
原田の部屋に田村は招き入れられ、自分の拡大された大きなポスターサイズの横顔ポートレート写真の評価を求める。
原田: この写真と俺を比較して何見える。
田村: 正直に言っていい。いやらしさだ。
原田は田村にポートレート撮影を依頼する。俺はいやらし以外の何かだと。いい写真を欲しがる原田だが田村は俺の仕事は、企業のポスターとか、グラビアだとか、だからダメなんだと、ことわる。
原田: 本質探れよ
萬田の突然の訪問、昨夜の騒動のお詫びに品を渡す。
萬田の元亭主の家。姑と息子が出ていった萬田責める会話。騙された、慰謝料目当てだ。俺は連れ戻して、ここを出て行くよ。
嫁姑問題に疲れ、元妻萬田に未練だらけの夫の惨めさ。
田村は仕事に乗れずにイライラしている。金髪の裸のマネキンの前で目頭をおさえる。金子國義の絵がモチーフのような、四谷シモンの作品を彷彿とさせるマネキンには黒の透けたランジェリーが履かされいる。
クライアントから仕事の依頼の電話。コンペだと聞き不満顔になる。
名取の部屋。コンペでの仕事依頼の話しを受ける。田村との写真とイラスト対決を知り面白がる。
管理人岡本と萬田、昨夜のお詫びの品を渡す。
岡本: 昼間から酒飲むなんて主婦のやることじゃありませんよ。
萬田:私はもう主婦じゃありませんよ。離婚したんだから。
岡本: 離婚すれば翔んでる女なのか?あれは翔んでるんじゃない。落ちているんだ、それに気づかないだけなんだ。
もう、いいです。萬田は呆れてている。
岡本:一人暮らしなんて人間を堕落させるだけだ。早く、亭主の元に戻った方がいい。
岡本は、廊下に置かれている灰皿に中でまだ煙の出ている消し残しのタバコをもみ消す。
名取の部屋。エアスプレーでイラストの彩色をしている。萬田が訪問して、部屋に強引に上がり込む。部屋を隅々まで眺め回し、イラストレーターって絵を描く人なのねと。散らかっている部屋の荷物類を片付けながら、結婚感についての話題へ。
萬田: 結婚なんかしちゃだめ
夫の愚痴を並べ始める。勝手に落ち込み床に座り込んでしまう。
夜の六本木通り。渋谷ー東京タワー間の都営バスが走っている。六本木食堂の暖簾が掛かっている店の入り口。定食屋で労務者に絡まれる津川。田村はその場をたまたま見かける。
津川は部下が仕事の契約が断られたことの不満を抱えている。
岡本管理人室内の夕食風景。説教と人生訓を無視している家族。
岡本: 人の話しを何だと思ってるんだ。
1階ロビーで帽子を指先で回しながら帰宅する原田に、管理人岡本が話しかける。管理当番は決めたかと詰め寄る。週一回集まって決める約束だろうと。
原田: 誰との約束だ。俺は自分としか約束しないんだ。
凄んで威圧する。
赤サングラスでエレベーターから降りる田村と黒サングラスでエレベーターを降りる美保純がすれ違う。田村は美保の腕を掴み、この間の落書きも君だろう、このマンションに居るのは不自然だろうと廊下に引き摺り出す。大声で騒ぎ出す美保純。7階の住人が各々の部屋から出てくる。
津川は部屋で奥さんと電話をしている。タバコを吸い、妻の追求にイラつく。会社で左遷されそうだ、先の事を考えたい。親父の残した絵で画商をやりたい。一人にして欲しい。
廊下に管理岡本と美保純を囲む住人。
当番も決めていない。管理人岡本は7階の住人で解決しろと匙を投げる。
梓: 私が面倒見ます
田村: この子には気をつけた方がいい。
梓、萬田、名取は梓の部屋に女4人で集まり、美保純の事情を聞く。ジョーというダンスの上手い男と出会った。黒人米兵と六本木で知り合い、横須賀のディスコで待ち合わせし、アメリカに帰ってしまった。
友達のところを渡り歩いている。ジョーの子どもを身籠るが流産したこともある。おしまいにしたい。六本木のマンション屋上で自殺しようとしていて、レイプされたと。
美保: できれば死にたいの。別にどうこう迷惑かけるつもりはない。
田村の撮影スタジオ。タキシードどドレスのモデルの絡みをアシスタントにダメ出しをする。
名取が唐突にスタジオに現れる。ヌード撮影の準備。コンペの相手が自分だと告げる。今日は偵察ってこと?あなたの競争相手が、駆け出しのイラストレーターってこと。心理戦。でも、綺麗だよ。全てがわかる前に寝ようか。今夜辺り襲おうかな。と、田村。
夜のマンション。ロビーで管理人と梓が揉めている。梓は女にはちゃんと名前があるという。ゴシキナツという名があると。
(*ドラマで女としかクレジットされていないが、きちんと名前のある。この発言は、ドラマの肝)
原田が登場する。会合開いてください。と岡本。
原田がみんなを集めて、津川の部屋で集会がはじまる。管理人のサルがうるさいから。美保(彼女)を泊めてもいいね。適当な会合。カメラマンも用意したから。
梓が美保を泊めることをみんなで認める。
🎵パーティソング、オールディーズ。(伊藤銀次センスで選ばれた曲)
パーティーソング挿入
カメラマンに撮影してもらおうと、原田が田村に撮影を強要し、普通でいいんだよ。
田村: あんた自分が思うより男前じゃないんだよ。
アドリブっぽく、みんな苦笑する。いい雰囲気の中で田村カメラが美保純を追いかけて回す。ポーズを決める原田。何枚も撮影する。みんなの自然な振る舞いを収めて行く。名取の妖艶な雰囲気も。集合写真も撮る。
さあ、飲みましょう。
萬田はこんな集まりに開放感を味わっている。たまにはなにもかも忘れたい。上手く入り込んだな、と美保純に迫る田村。写真を撮ると追い回し、逃げる美保。
萬田久子を襲う津川の性衝動。片付けモノ、洗い物の最中に襲いかかる。でんきを消して、ソファに運ぶ。
美保純の不気味な笑顔。ワンショット。
田村の部屋
部屋を抜けてだして、出て行く美保純。
田村のナレーション。
その時、あの女が僕たちに仕掛けているものを危険だと思った
つづく
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