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新型フェラーリ「12 Cilindri (12 チリンドリ)」自然吸気6.5リッターV12搭載か

国際的な自動車電動化の中、まさかの自然吸気V12

「12 Cilindri」は、イタリア語で「12気筒」を意味する。国際的な自動車電動化が加速する今、わざわざ車名にまで内燃機関であることを主張するその意気、この時代に自然吸気V12を作り続けるそのフェラーリの意思は車好きにとっては好ましい事この上ないだろう。

価格は日本円にして約6500万円。許容最高回転数は9500rpmと、先代よりも500rpmアップしている。

排気量6500㏄、830ps、最高速度は340km/h

「812コンペティツィオーネ」。誰しもが最後の自然吸気V12になることと予想していた。だが実際はそうではなかった。今月3日に発表された、「12 Cilindri」はその予想を大幅に覆し、この時代の流行を完全に逆らったエンジンが投入されたことに今、注目が集まっている。

搭載されるエンジンの型式名はF140HDというから、812コンペティツィオーネのF140HBや、「デイトナSP3」のF140HCをベースに改良した新設計ユニットであると捉えて良い。

0から100km/hの加速は2.9秒、最高速度340㎞/hという速さこそ先代の「812スーパーファスト」とあまり変わらないがリアのウエイトバランスの向上、フロントのシャープなフェイスからは先代よりも空気抵抗の低さが考えられる。おそらくフル加速時の安定性は向上するだろう。

「FRでV12」。フェラーリの伝統

第二次大戦後、1947年にフェラーリが自動車メーカーとしての看板を掲げた頃、初めてリリースされたのが、この「125 S」。この時からフェラーリのV12の歴史が始まっていた。

この「125 S」は60度の1.5リッターV12を搭載していて、約40年に渡り5リッターとなるまで拡大させてきた。
一方1970年代に入ると、フォーミュラやレーシングカーのトレンドとして、ミッドシップが市販車までにも反映されることとなり、フェラーリもそれにあわせて180度のV12を自社の車の投入。(「365GT4/BB」など。)
 
だがそれでもフェラーリがFRのV12を諦めた訳ではなく、65度のバンク角を持った新しいV12が登場したのは1992年のこと。f116型エンジンを搭載した「456GT」は、登場した当時の最高性能モデルであった。

そして「456GT」のコンセプトを受け継ぐ、「612スカリエッティ」がf116型エンジンを改良したf133型エンジンが搭載された。このことから見てもフェラーリがいかに「FRのV12」という伝統を現代まで守り抜いてきたかが分かる。

さて、もしかするとフェラーリ最後の自然吸気V12になるかもしれないが、そのことを意味して車名に「12気筒」というのを付けただろう。これまで守り抜いてきた伝統に沿った、ある意味最後のV12フェラーリであるだろう。



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