水色
年明けに行ったイタリア旅行で
ローマにあるレストランに入った時、
テーブルについてくれた女の子が、
レアセドゥにそっくりだった。
小柄で、栗色の瞳で、
髪の毛は短く カールされていて、
腕に小さなタトゥーが何個か入ってた。
注文を聞き終えたあと
えくぼのあるかわいい笑顔で
サービス的に微笑んでくれた。
危うく好きになるところだった。
その日はホテルに帰ってから
しばらく忘れられなかったし、
帰りの飛行機でも彼女のことを思い出した。
日本に帰ってからも何度も、
それくらい魅力的な人だった。
交差点ですれ違っただけで
エマに一目惚れしてしまう
アデルの気持ちが今ならめちゃくちゃ分かる。
そのせいか最近、
水色の入浴剤ばかり使っている。
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