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ぴったり私サイズのしあわせ

町内の友人宅にある大きな栗の木。たくさん拾ったからとお裾分けしてもらったので、早速茹でて子どもたちといただき、半分ほど残ったものは冷蔵庫へ。

「茹でた栗は、風味が落ちる前に食べなくては」と思いつつも、やらないといけない仕事をあたふたと片付けているうちに2日経ってしまった。

その夜、商品を送るときに入れるリーフレット用の文章をつくっていて頭がぐつぐつ煮詰まっていたときに、ふと思いたち、栗をスプーンでほじくることに。頭を使うことに疲れてしまったときに、こういう単純作業はとても有効だ。頭と心をストレッチしたり、狭くなっている目線を離れて眺める視点に変えてくれる。

ほじくった栗は、やさしい甘さの栗あんにして、なかしましほさんレシピの栗あんクリームサンドにすることに。

次の日、栗をくれた友人を呼んで、うちで働いてくれてるスタッフも一緒に15時のおやつにクリームサンドをふるまう。

おしゃべりしながら、おやつを食べていて、これが私の「たのしい」だと感じていた。

東京の有名店のモンブランもいいけれど、庭で採れた栗の実を分けてもらって、自分でつくる素朴だけど風味が豊かな栗あんは、ここでしか味わえない最高に贅沢なごちそうだ。

セレブとパーティーもいいけれど、近所に住む何人かの気心が知れた友人とおやつを食べる時間は、心をふんわり軽やかにしてくれる。

ぴったり私サイズのしあわせは、ささやかだけど、こんなに近くにあって、自分で作れる。

大きな目標に向かってぐんぐん進むのも、自分のペースでのんびり暮らすのも、どっちもあきらめないぞと、今日のご褒美みたいな夕陽を眺めながら叫んだ(心のなかで)

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