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大学生のボランティアと小樽の恩知らず
過去の過ちや、恥をかいたことを思い出して突然「アーーーーッ」っと叫びたくなることはありませんか。私はあります。先週ありました。
先週3月5日(金)に、札幌のボランティアサークル「あるぼら」の厚真町での活動報告、3月7日(日)にezorock厚真長期滞在プロジェクトの活動報告会に参加しました。昨年うちにボランティアで来てくれた大学生たちの報告です。
あるぼらの活動風景↓
ezorock厚真長期滞在プロジェクトで来てくれた大学生たち↓
話を聞けば聞くほど、彼ら彼女らが自分の週末や夏休みを使い、自らボランティアに参加していることの尊さにおののきます。
かっこつけたり、自分をよく見せるためなどではなく、本当に純粋に「誰かの役に立ちたい」「人のために時間を使いたい」と素直に思っていることがわかるから。
そんな眩しいくらい立派な大学生たちを見ていると「本当にごめんなさい」と謝りたくなります。彼らにも、遠い昔に小樽で一緒に過ごしたあの大人たちにも。
今から20年以上前の話。
その頃、夜間大学に通っていた私は、日中のほとんどの時間をアルバイトをして過ごしていました。生活費を稼ぐという目的の他にも、時間と体力と好奇心を持て余していたので、働くことは最適な選択でした。
朝は小樽運河沿いのリゾートホテルの朝食レストランで接客し、まかないの朝食兼昼食を食べた後、中華料理店に移動してランチが終わる夕方まで。
そこで、周りの大人たちにずいぶん親切にしてもらいました。たぶん「かわいがってもらった」という言い方のほうが合っているでしょう。
田舎から来た何にも知らない私に、倍ほどの歳の大人たちが、接客の仕方や、言葉遣い、長時間立ちっぱなしでも疲れない立ち方を教えてくれ、毎日のようにスナックに飲みに、ごはんを食べに連れて行ってくれたことで、小樽の老舗の美味しいお店を知れたり、気軽に通える飲み屋さんが増えました。
なのに、私は夏休みや冬休みの長期休暇が来るたびに、旅行や遊ぶ目的のためにバイト先を辞めていました。観光地の小樽では稼ぎどきに抜けられるのは大変だと、今ならわかります。だけど当時は自分の欲望を満たすことに忙しかったし、それが迷惑をかけることだと気づいてもいませんでした。
なぜかというと、それを大人たちが反対などせず、にこやかに送り出してくれたからです。それどころか、餞別をもらったり、「東京に行くなら、困ったときはここに連絡しなさい。信頼できる友人だから」と電話番号を渡してくれたりしたのです。
ああ!「20歳の夏休みにアルバイトに明け暮れるなんて、ありえない」なんて言う生意気な小娘の私に、当時に戻ってビンタしたい。
遊び歩いて小樽に帰った後、おみやげを持っていくどころか、次のバイト先を探すことに専念していた私にヒザカックンしたい。
人の親切を台無しにして、自分のことばかり考えていたあの頃のことは、いつも心のどこかにくすぶっていました。それは、就職して結婚して子どもを育てていても消えることはありませんでした。
いま、やっとその頃の自分と折り合いをつけている気がします。自分が当時の大人たちと同じ歳になってみて、大学生たちと一緒に過ごすと、わたしはあの大人たちみたいにできているだろうかと考えます。
おもしろくて、包容力があり、いろんなことを教えてくれた人たちのことを思い出しては「あのときは本当にごめんなさい」と思いつつ「あなたたちがお手本になってくれたおかげで、ちゃんとした大人っぽく振るまっていますよ」「もうちょっと頑張って、できることを増やしていきますからね」と自分を励ましています。
どうか、うちに来てくれた大学生たちにとって、厚真町での思い出がいいものになりますように。そして、あの頃もらった親切を少しでも返せますように。
「アーーーーッ」と叫びたくなることが減りますように。減らなさそう。