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映画「世界一キライなあなたに」感想

あなたは大きな怪我や事故に遭ったことがあるだろうか?私は無い。強いて言うなら、小学生の頃に友達の妹をおぶったままコケて顔がかさぶたまみれになったことくらい。

昨日の深夜、Amazonプライムビデオで偶然見つけてなんとなーく面白そうだなと思って鑑賞した映画がとても素敵な作品だった。

ある日、働いていたカフェが閉店することになり、突然職を失ってしまったルイーザ。彼女が新たに得た職はバイク事故で車椅子生活を余儀なくされてしまったウィルの介護兼話し相手をする期間6ヶ月の仕事だった。
身体障がい者とヘルパーの恋物語である。


この作品、まず魅力的だと思ったのがヒロインだ。
ルイーザはいつも明るくニコニコしていて、素直で表情がコロコロ変わる。楽しい時は子供のようにはしゃぐし、気まずい時は困りながらもとりあえずニコニコしている(洋画特有の肩をすくませたあの笑顔)。

そして何より目を惹かれたのが服装だ。

カラフルでか〜〜〜い〜〜〜

ルイーザはお洒落が大好きで、いつもカラフルで明るい彼女にピッタリなファッションを纏っている。また、お出かけの日はドレスやジャケットでフォーマルさを取り入れつつ、ブローチで可愛さをさりげなく主張したりその日の予定にも合わせたコーディネートを楽しんでいる。

私はこういったカラフルで個性的はファッションに憧れつつも、いつもGUだとかしまむらだとかシンプルなファストファッションで済ませてしまうので、彼女の服装が変わる度に「可愛いー!」と声に出してしまうくらい、楽しんでいた。

私が1番好きだったのが、この黄色のコート。彼女の明るくて無邪気な性格がそのままお洋服になったよう。

加えて、舞台となっているイギリスの田舎町の風景もとても綺麗だった。海外に行ったことの無い私からすると、レンガ造りの建物だったり、水面に反射する石橋だったりが全てロマンチックに見えてルイーザの服装と合わせるとどのシーンも絵画のようでワクワクした。

お洒落やファッションに興味がある方にも強くオススメしたい映画だ。

ここからはネタバレを含む内容になります。まだこの作品を見たことない方は是非とも1度ご覧になってから、もう一度読みに来ていただけると嬉しい。










そうなったか〜〜〜〜

(爆泣両eyeナイアガラ)

もう本当に、誇張抜きでティッシュボックス1箱無くなり、ゴミ箱が鼻水と涙を抱えたティシューズで溢れかえった。

でも、現実ってそうなんですよね。
大切な人が出来たからって病気が治るわけでもなく。
いくら励まされようが、自分の中の過去の栄光、行き場のない後悔と怒りは消えない。
大切な人が照らしてくれる希望と、まだまだ長い人生に対する絶望。どちらが大きくなる。

両者の気持ちを考えてみても、どちらにも非は無いし、前半のパートがキラキラしていたからこそ辛すぎる。もっと2人で色んな場所に行ったり素敵な経験をして欲しかった。

最後まで目を背けずにウィルを支えたルイーザも、ルイーザの気持ちを受け取って変わったことで僅かながら素敵な余生を送ったウィルも、どちらも本当に素晴らしかった。

でもこれはバッドエンドでは無い。
ウィルの気持ちを背負って、ルイーザもまた新たな第1歩を歩き始めたのだからね。

人生もきっと同じで、自分の命が尽きない限りはまだまだエンドロールなんて来ない。
楽しかった思い出も辛い過去も大切に抱きしめて遺された人々は進んでいくしかないんだ。

まだまだ私の人生は長いだろうけれど、ルイーザみたいに前向きに笑顔で生きていれば悲しい展開だって乗り越えられそうだと思える。

号泣必至だけれども、最後は清々しい気持ちで席を立つことが出来る名作でした。

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