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南極生活七十七日目

眼鏡を超音波洗浄する機械をやっとの思いで購入。楽器屋の前でトランペットを見つめる少年のように、眼鏡屋の前を通るたんびに、超音波洗浄の機械を物欲しそうに眺めていた僕。思い返せば、僕は小学生の頃から眼鏡をかけていた。子供の頃は特に、土埃などですぐレンズが汚れ、メガネ拭きで拭いてもまた汚れ、拭いては汚れてを繰り返していた。困った僕が、眼鏡屋で相談したところ、眼鏡屋さんは「メガネ拭きは洗ってる?」と一言。まさに青天の霹靂。当時の僕には、眼鏡は拭いても、メガネ拭きを洗うという発想は全くなかった。以来、メガネ拭きをちょくちょく洗っているがそれでも限界はある。超音波洗浄の力を借りようというわけだ。

さて、今現在南極生活を過ごしていて、楽しいことなど微塵もない訳だが、将来的に楽しみにしていることが一つだけある。それは、南極生活の最終日、つまり南極生活三百六十五日目に、もう一度南極生活を1日目から読み返し、今までの記事一つ一つに自分でスキのボタンを押してあげること。とてつもなく悲しい楽しみではあるが、今のところこれぐらいしか希望がない。

南極生活は一年計画で考えおり、短期間終了の可能性もあるが、もし仮に死ぬまでこの生活を送るとしたら、どんな風になるのか。今よりさらに迷走を極めるのか。今日は南極生活の未来予想図を描く。

南極生活1,111日目・・・合法的にペンギンの剥製を購入。

南極生活2,222日目・・・祝結婚。南極部屋で愛をはぐくむ。

南極生活3,333日目・・・『南極』という印鑑を作成。

南極生活4,444日目・・・痔ろうで入院。病室の南極化に取り組む。

南極生活5,555日目・・・惜しまれつつも月刊NANKYOKUKA廃刊。最後の表紙を飾ったのは上野樹里。

南極生活6,666日目・・・夫婦関係が深刻なほど南極化。離婚。

南極生活7,777日目・・・もはや日本の南極っぽいものはすべて見尽くしたという言葉だけ残し、単身ヨーロッパへと旅にでる。

南極生活8,888日目・・・南極生活の変遷を撮った写真集「ペンた丸の南極生活(仮)」を自費出版。

南極生活9,999日目・・・自身の経験を活かし、南極化部顧問に就任。部室を南極化する生徒に指導。

南極生活11,111日目・・・部屋の南極化に30年取り組んだ男として、探偵ナイトスクープに依頼。小ネタ集として扱われる。

南極生活22,222日目・・・ペンた丸死亡。棺には、故人の意向で南極っぽいなにかが入れられる。

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