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探らないほうが幸せ。
私は、秋田県のとある所に生まれ、途中、大学4年間を神奈川で、社会人1年目を大阪で過ごし、16年前に実家へ戻った。5年という短い期間ではあるが、所謂「外の世界」を経験している。
私は元来、群れることに慣れず、友達と言える存在も多くはない。そのような性格なので、近所や他人にあまり干渉されにくい「外の世界」の居心地はよかった。お酒も弱いので、飲み会も積極的に参加するほうではないが、気の合う人と徹底的に話すのは好きである。
実家に帰ってきて16年。いま、私の地元では、新型コロナウイルスが猛威を振るっている。
そのためか、
ーー ○○の店長が感染を拡げた。
ーー 今度は○○学校でクラスターが起きている。
という話を最近よく耳にする。
インターネット掲示板や、ニュースサイトのコメントを見ても、有象無象の情報に溢れている。誰が、いつ、どこで、どのように感染したのか。みんなが探偵や新聞記者になったかのように深堀りしている。
ほんとに、おかしいよ、狂ってるよ。
行政・医療関係者ならば、感染拡大を阻止する情報として、どのような状況で感染したかを追いかけることに意味はある。
しかし、これだけ日本国内で感染が広がり、ウイルスも次々と変異する中で、自分や家族、同僚が明日感染してもおかしくないような状況なのに、何の関係性もない赤の他人のことを知りたくて、素人が情報を追いかけることに何の意味があるのだろうか。
私は、誰がどこで感染したということに、1mmの興味もない。
なので、そのような話をされた時には、「あっ、そう。」とだけ返すようにしている。
素人が、誰が感染したかを知ったところで、決して幸せにはならないよ。田舎特有の「群れること」「干渉すること」には本当に辟易する。
大切なのは、どのような状況で感染拡大が起こるのかを知り、自覚し、自分や家族が感染しないよう、もしくは、仮に感染したとしても拡大を防ぐよう、仕事や生活の中で最善の努力をすること(ex.マスク着用、手指消毒、県外への移動を抑える、テレワーク)であるだろう。
そして、ウソを見抜き、ウソに踊らされないよう、一人ひとりが公共の精神を養うことが、未来にとって幸せな結果となることを信じてならない。
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