丸顔礼賛
以前、ある女性に「顔がまんまるだね」と言ったところ、「馬鹿にしてる?」と真顔で言われたことがあった。
女性にとっては「顔が丸い」ということはネガティブな印象を持つことのようだ。
大阪弁では男性に対してよく「シュッとしている」といったりする。これは大いなる褒め言葉で、顔がキリッとしている、体が引き締まっている感じのイメージだ。およそ丸顔のイメージとはかけ離れている。となると「丸顔=太っているようにみえる」というのがネガティブな印象を持つ要因としてありそうだ。
私は、丸顔の持つネガティブな印象をどうにかしたいと心から思っている。なぜかといえば、丸顔はかわいいからである。
考えてもみてほしい。丸顔で可愛い芸能人はたくさんいる。日本の至宝である榮倉奈々(以下敬称略)、元ribbonの永作博美、宮崎あおい、岡本玲、片岡沙耶、葉月つばさと、調べればわかるが丸顔はかわいい。
「芸能人なんだからかわいいのは当たり前だ」とか「丸顔の中でもかわいい人を選んでいるんだろう」とか考えたひとはただひたすらに野暮である。「全然かわいくない」という人は目があいていない可能性があるので、しかと刮目した方がいい。
さて、丸顔のネガティブなイメージを払拭するためには、まずもって丸顔の前提にある「太っている」という言葉が持つネガティブな印象をどうにかする必要がある。
女性の間では「太ること=とにかくだめなこと」という観念が強すぎるように思う。何かと細い女性がもてはやされるせいか、無理なダイエットとかで死にそうな顔をしている女性たちは少なくない。
これは女性には受け入れられない意見だろうと思うが、腹八分目まで食う生活を続けて出来上がった身体こそ、自分のあるべき身体だと思う。痩せているばかりが魅力ではない。
太っているのがネガティブなのは、健康上の障害が起きるレベルに限られる。英語で言えば”obesity”、早死にするような「病的なデブ」である。眠っていたらいつの間にか息が止まっているとか、何もしていないのに心臓が痛すぎるとか、明らかに体にトラブルが起きているケースのことだ。こういう意味での太り方は当然ネガティブだということは言うまでもない。
では、丸顔であることで眠っていたら息が止まるとか心臓が痛いとか、そういうトラブルに直結するか。断じて否である。ということは、丸顔であることは悪い意味で太っているということを必ずしも意味しない。
まあとにかく、自分自身が丸顔であるという事をネガティブに捉えるのではいけないのである。「丸顔なわたしなんて—」と思う人もいるかもしれないが、そうではない。今自己認識としてかわいくないと思っていたとしても、丸顔はそもそもかわいくならざるを得ないので、それは伸びしろがあるということだ。いくらでもかわいくなれるのである。
この文章を私がどこに向かって主張しているのかは心底謎なのだが、とにかく丸顔のひとには丸顔であることを誇って生きていってほしいのである。丸顔の溌剌とした笑顔は、たとえるならば空に燦々と輝く太陽である。
太陽がなくなればこの世界から光が失われる。丸顔の人間の笑顔こそ、この世界にとって不可欠な世界の光である。
丸顔、万歳!
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