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20代の社畜の白血病のオタクは入院に向いていた


前回書いたnoteにより、白血病治療について質問とサポートいただいたので書くことにする。ありがとうございます。前回の読んでない人も気になればどうぞ。


主に治療内容と入院中の過ごし方をざっくり書こうかなと。オタクは入院に向いているので、もちろん私は入院にとても向いていた。


主な治療の流れ

どの白血病にも言えるのは血液が正常に作られない病気だということだ。したがって、その正常に働かない血液を正常に戻そう!というのが目標になる。
急性前骨髄球性白血病の私の場合は、抗がん剤服薬での治療だった。なんと移植の無い白血病もあるのだ、私も知らなかった。
抗がん剤治療は、点滴で薬剤を投与し、一旦血液の中にある血球を全て破壊して、ゼロにする。一個一個区別してられないので、良い血球も悪い血球も全部殺そう!というなんとも大らかというかざっくりした治療なのだ。
外敵と戦う血球ももちろん死んでしまうので、抵抗力がなくなってしまい、様々な感染症を引き起こす。だから白血病患者は無菌室にいなければならない。白血病=無菌室というのは誰にでも強く印象に残る話な気がする。
そこから血球が生産されるのを待ち、回復したらまた抗がん剤で殺す。
これを繰り返し、血液中の血球が正常に戻るまで少なくとも半年はかかる。

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飲み薬のベサノイド、栗まんじゅうに似ている。



抗がん剤と副作用

私が使用したのは、キロサイド、ダウノマイシン、ノバントロン、トリセノックスだった。トリセノックスなんかはなんと亜ヒ酸なので、所謂ヒ素なのだ。え、人体に使っていいの?!(いいらしい

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ノバントロン、とんでもない色をしている。なんとおしっこが緑になる。

これらの抗がん剤の副作用として代表的なのが、吐き気脱毛である。
幸運?なことにアルカス、ヤニカスにより二日酔い常連だった私は、吐くのには慣れていた。もちろん、吐き気止めも投与されるので、累計で6、7回くらいしか吐いたことはない。もしかするとつわりのほうがきついかもしれない。近年の吐き気止めは発展をとげているらしく、そこまで抗がん剤の吐き気が強く出ないらしい。
2種類組み合わせて5日間かけて抗がん剤を投与するとジワジワ血球が減るので、一か月かけて血球を回復するのを待つ。
そう、白血病はとにかく待ちなのだ。点滴をつないで血球が回復するのを待つ、ただそれだけである。

脱毛については、私は性格上あまり気にしていなかったので、ダメージはなかったが、髪を大事にしている人にはつらいのかもしれない。後から生えるし、人生で坊主にする機会なかったし、いっかなって思って…
髪の毛がゴソゴソ抜けるので、掃除はめちゃくちゃ面倒になる。お掃除の方に感謝しかない。全部抜けた後はこれ以上抜けようないので、安心である。坊主でも許される場は坊主で出かけた。

あと味覚が一時的に落ちる。私はこれが一番副作用の中では辛かった。食いしん坊なので、無味がまじ虚無…人生で一番楽しいことは食べることなのに…しかしこれは血球が回復すれば治る、ぽっちゃりな私はダイエットと思って乗り切った。

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匂いの記憶で食べてた、記憶が美味いんだ…

あと、すっかり忘れていたが、治療中は妊娠できない。私は出産の予定がないので問題なかった。他にもいろいろと副作用はあるかもだけど、私はこんくらい。これらは全然問題無い範囲で、一番厄介だったのは、抵抗力がなくなることによる感染症だった。



感染症

血球がなくなることで、抵抗力赤子以下になってしまうことで厄介なのが、感染症だ。
無菌室にいるのに?って思うだろうが、なんと常在菌にやられる。普段体内にいる菌に負けるのだ…ありえん…口腔内のブドウ球菌あたりにやられたはず。

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2019年は最高のクリスマスになってしまった(独身

私はこれで、蜂窩織炎偽痛風敗血症にかかっている。
高熱が出るわ、足が腫れるわ、水は溜まるわ、そこを切開するわでてんやわんやだった。抗がん剤の後、毎回どの感染症になるかドキドキソワソワしてたので、私は感染症ガチャって呼んでいた。

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ちなみにSSRを引くと敗血症になる



入院中したこと

10万分の1くらいな確率で白血病ガチャをひいたので、まず宝くじを買った。サマージャンボである。
白血病になったんだから、確実に100万円くらいは当たるだろうと目論んでいたのだが、無念にも300円しか当たらなかった。恐らくこの運は持ち越しになっているはずなので、どこかで何かものすごいラッキーがくると予想している。
あとは普段とそう変わらぬ過ごし方をしていた。オタクなので、引きこもりは得意だ。ネトフリでアニメや洋画を観たり、スマホでソシャゲをしたり、ipadでお絵かきしたり、switchでポケモンしたりしていた。ツイッターもむっちゃやってた。
オタクはやることが多くてあまり暇にならないので、入院に向いている。
wifiさえあれば、テレビは基本的にいらないとも思う。
ある時は、ジョジョの二次創作をpixivで読みふけりすぎて、twitterに浮上しなかったため、身内に死んだかと思われていた。

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ごめんね


素晴らしい作品を生み出してくださった方々が私を夢中にさせすぎたためである。入院するときはぜひ、kindleでジョジョを読んで、ネトフリでジョジョを観て、pixivでジョジョを読んでほしい。君がッ!読むまで!殴るのをやめないッ!(5部が好きです

また、家族と離れて暮らしているため、主に私の面倒を見ていたのは同居人と幼馴染だった。洗濯が意外と大変なのである。いい友達をもったなあと感謝してもしきれない。面会制限があるので、人に会えなかったので、他の人はむっちゃアマゾンギフトくれた。ありがて~~~~!商業BLの本むっちゃ買った。入院中漫画はいくらあってもよい。

漫画といえば、同居人のBL単行本が出ています!
買って読んでください(宣伝)



辛かったこと

イベントに行けないこととメシがまずいこと…イベントはジョジョの舞台挨拶もふっとんだし、それだけを楽しみにして残業を耐えたと言っても過言ではない仕事の打ち上げもとんだし、悔しいことばかりだった。健康でさえいれば全部行けたのに…と歯痒い思いはむちゃくちゃした。健康じゃないと推しを推せるときに推せないのだ。
そして病院食が本当に不味い…美味しい人いたらごめん、でも私は好きじゃない。人参の匂いしかしない味気ないスープ…ぱさぱっさのパン…べしょべしょの野菜…がっちがっちの卵焼き…旨味を抜き去った焼き鮭…差し入れでもらうコンビニの飯がご馳走に感じる。飯がまずくて10キロ痩せた。

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悪口は言ってはいけない


入院を振り返って

だいたいはなんとかなるなる~でなんとかなった。医師看護師もみんなプロフェッショナルである。その道のプロがそう判断するなら、信じて任せてこちらはのんびり寝転んでいればいい。皆、丁寧に説明してくれるので、特に疑問を感じることもなかった。もともと能天気な性格なので、深刻に考えるタイプではなかったからかもしれない。
自分でもびっくりするくらいに落ち込まなかったのは、ネットがあるからだった。疑問があればすぐ調べられるし、考えても仕方ないことは考えない。そうすれば不安はない。今の時代の入院はなかなか楽しめる。でもさすがに半年くらいで入院も飽きるので、限度は半年だなと思った。
これからは健康に生きて、半年以上入院しないようにしたい。皆さんも健康にはお気をつけて!
次回のnoteはあけすけな金の話ができればと思う。


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どっひゃ~~~

治療は続くので、薬価の高いお薬の足しにさせてください~~!