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花は泡


初谷むいさんの歌集「花は泡、そこにいたって会いたいよ」を読んだ。

途中で泣いてしまって、中断しては読み直してを繰り返していたので読むのに時間がかかった。
私が人に薦めるとしたら当面はこの歌集を薦めることになると思う。

初谷さんの短歌のリズムが好きで、ぽーんと投げ出されたり、一気に押し寄せてくる言葉に引き込まれる。"正しさ"の捉え方や、ふたりとひとりの感じ方も好きだった。

切実で、泣きそうな声で脳内で再生される短歌が多かった。短歌もそうだし、章の冒頭に添えられている文章(私は短歌のことも歌集のことも全然詳しくないので、こういったものの正式名称が分からない)もとても切実だった。
文章を短く切ってどんどん繋げていく書き方が好きだから、自分でもたまにやってみている。切実さがちょっと保持されたままアウトプットされる気がするので。

好きな理由を言葉にしておいて、という感じだけど、全部を感情が追い越す時の"本当"を見逃さないようにしたいとも思った。

好きだった短歌(一部)


あたし死んだら文字になる困ったらあたしのかわりに言葉がゆくよ。

死んじゃって文字になるとして、文字だけになっても耐えうるだけの強度を持った言葉を身につけられないものだろうか、とか。


当たり棒だけの世界ではないけれどあなたはそう見えた 目くるめく

なんかもうこれだけで十分なんじゃないかと思う。これ以降の8首、特に全部好きで参ってしまった。


もうにどと会えないのかな 東京でコンビニでほんきのありがとうを言う

東京でコンビニで、の連打が迫ってくる。空気砲みたいなイメージ。24歳、ほんきのありがとうを何回言えるかという自分との勝負


ぼくはきみの伝説になる とべるからそれをつばさと呼んで悪いか

言葉データの「信念」フォルダにいれてお気に入りマークもつけた。


質問箱、広告が多すぎてうんざりしますがまた貼っておきますね。

「花は泡、そこにいたって会いたいよ」を読まれた方がもしいらっしゃったら好きだった短歌を知りたいですし、それ以外でもおすすめなど教えてくれたらなんだって嬉しいです。


早寝には失敗し続けたものの、向き合わなきゃいけないことに少しづつ向き合えた6月だった。
この調子で元気なうちにあれこれ進めていきたい。

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