見出し画像

シェヘラザード

世間には、お笑いライブの主催代行サービスというものがある。こちらを利用して2022/8/30にシェヘラザードというライブを開催してもらった。
利用した経緯と感想をまとめた文章。

主催代行サービス

ライブ主催団体ライブマンの主催代行サービス(https://www.livemanmost.com/)を利用した。
サービス開始当初から気になってはいたものの、好きな人を集めるだけじゃ味気ないし大学生には金銭的にもまだ早いか…とスルーしていた。
自分の好みの傾向が掴めてきて、なんとなく今しかないと思ったので、社会人になったこのタイミングで利用することにした。
複数人合同で依頼して、負担金額を分け合うのもいいと思う。楽しそうだし。ただ今回私は全ての決定権を握ってみたかったので個人で依頼した。
やりたい放題してみたかったから。

実際のフライヤー最終版

綺麗 良いメンバー 最高
色んな人のネタがいっぱい観られるライブが好きなので、できるだけたくさん呼ばせていただいた。

経緯詳細

指定させてもらった要素

  • 出演者

  • ライブ名

  • コンセプト

  • 開催日時

  • 会場(新宿バティオス)

  • 香盤(出順・MC組み合わせ)

  • 開場中BGM・トーク時の出囃子

  • 撮影可否(ネタ中以外撮影可能)

指定していない要素

  • 各芸人さんの出囃子

  • ネタ(にぼいわさんだけはどうしても観たいネタがあったので指定させていただいた)

  • トークテーマ

当日までの流れ(日記)

5/31
トッパレ(A)でストレッチーズが優勝した。この日が来るのが 私が勝手に想像していたよりも全然早くて、"いつか観たい"とか、"もっと観たい"なんて悠長なことを言っていたらあっという間に観られなくなってしまうんだと実感した。私が好きな人たちはもれなく面白いので。
いつか利用してみたいと思っていた主催代行サービスのページを開いて寝る。

6/1
どちらかというと文学的でニュアンスめの、変な主張があるようなネタが好きで、そういうネタをたくさん観られるライブにしたいというぼんやりとしたビジョンがあった。
こういう時に信頼できるのは過去の自分とTwitterなので、自分の"好き"という単語を含む過去ツイートを検索した。これによってスムーズに呼びたい人たちが挙げられた。
明らかに欲張りすぎている!という方も含めて呼びたい方が13組出揃った。(主に)2021年の私のライブ遍歴が詰め込まれているメンツになった。好きな人たちは他にもいて、その人たちも挙げたかったけれど今回は私の癖(へき)を第一優先に13組に絞っていった。諸々断られて8〜10組くらいになる想定。"キングオブコントの決勝進出者が決まる前に打たないとこのライブは実現できないかも"という確信めいた予感がして焦る。

6/2
正気に戻らないうちに問い合わせを送る。
内容としては①なんとなくの開催希望時期、②希望の13組、③ライブのコンセプトを記載した。

6/4
担当の方から返信がきて、"全組お声がけは可能"という文言にかなりビビる。
ひとまず
・会場はバティオスをイメージしていること
・最終的には8〜10組が理想
・予算のイメージ
などを伝えた。

6月第2週
引き続きメールでのやりとり。オファーの優先順位を伝えたり、特定の組にネタ指定での打診ができないかを(生意気にも)質問したりした。

6月第3週
担当の方々と対面で打ち合わせ(zoomでも可能だけど対面を選んだ)。
ここで日付を確定して会場を押さえてもらった。
ライブ名とか客入れ曲とか香盤とか、決めることたくさんあって楽しいけど困っちゃうねえ、という感想。今回ネタをリクエストすることが可能かもと聞いて「そんなことができていいのか」と再度慄く。
最後に今後のスケジュール感を確認して終了。
優しく丁寧にお話してくださったおかげでイメージの粒度がぐっと細かくなったし、気づいたら「お笑いインファイトが本当に好きで…泣」みたいな話をしていた。計2時間くらい話した気がするけど、そのうち40分くらいは本筋以外のお笑いの話をしていたかもしれない。楽しかった。すみません。

7月中旬
オファーの進捗を逐次メールで報告いただく。
自分で名前を挙げたくせに、スケジュールOKの連絡が来るたびにヒェ!?!と情けない声を出していた。
ライブ名をシェヘラザードに決めた。
シェヘラザードは千夜一夜物語の登場人物。毎晩新たな妻を娶っては殺害する残虐な王の妻となるものの、魅力的な物語を語り続けることで生かされる。彼女が千と一夜分の話を語り終える頃には2人の間に子が産まれていた、という、話面白すぎ女性。シェヘラザードは物語の登場人物であると同時に枠物語の外側の語り手ということ。わざわざ調べてくださった出演者の方もいらっしゃったみたいで大変恐縮でした。
"思わず聞き入ってしまうような話をいっぱい聞かせてくれる"ってしっくりくるなあと思ってこのライブ名にした。説明ゼロの状態でコンセプトとタイトルの意味のかかり方に気づいてくれたフォロワーもいて、良いフォロワーを持ったねとTwitterのお母さんが言ってくれた。Twitterのお母さんなんて言葉はない。
ちなみにシェヘラザードは昔オーケストラ部で演奏した曲の名前でもあるという自己満足エモ要素もある。
フライヤーは、私が一番好きな万華鏡の画像と"ちょっとアラビアンな感じで"という要望だけ丸投げしたらmosさんが完璧な素敵フライヤーを完成させてくださった。宝物。

7/28
ザクセス主催ライブ"煉瓦"を観た。初めて観たコーツが面白すぎて一緒に観た友達と「コーツ…面白すぎる…」と言いながら帰った。

7/29
出演者は確定しかけていたけれど、どうしてもコーツが観たくて、追加してもらえないかお願いしてみる。即OKがもらえて大喜び。告知開始。

7/30
チケット予約開始。

8月中旬〜下旬
飛び入り/キャンセル/追加の連絡などが色々あった。その都度迅速かつ丁寧に連絡、対応してくださってめちゃくちゃ頼もしかった。
香盤・MCを制約の中で組み替える作業はさながらパズルだった。最終的に4回組み替えた。主催の人はこんなことをいつもやっていると考えると大変。
客入れ・MC登場時に流す曲を決めた。
基本的には単純に好きな曲やイントロが気に入っている曲を選んだ。客入れ3曲目の「恋はリズムに乗って」はでかぷっしゅ!!がミネルヴァ・リバティでやってた時に客入れで流れていた曲。でかぷっしゅ!!、愛しています。"この曲の何分何秒からボリュームを上げて、そのままライブを開始してください"という所まで指定できた。

感想

まずはライブを観ている時に浮かんだことをつらつらと並べる。長いです。

  • OP、ちょっぴりコンセプトに困惑している様子が見られて「ご本人らは奇妙な主張って言われても、ですよね、すみません、システム漫才とか、バラシのコントとか、大喜利が強い漫才もいいけど、何かしらの論が見えるネタをいっぱい観たくて…すみませんね…」と謝りたくなった。"こういうネタたち"にもっと上手に名前をつけられればよかったんだけど…

  • TC、最初は終盤に観たいと思ってたけれど「絶対にライブを成功させたい」という思いが強すぎてトップに置いちゃった。いつもの主張のあるネタももちろん大好きだけど、観たいと思ってた初見ネタだったから嬉しかった。ライブの成功確定ありがとうございます、といった感じ。最高。

  • 最近のまんじゅうの、他愛もないことを話しているかのようなテンションでどんどん話が広がっていく感じ、かなり好き。半端ない安心感を抱いているのでOPMCもしてもらっちゃった。

  • 人横、かなり久方ぶりに観るネタでワクワクした!なかなかセリフを思い出せずに追い詰められちゃう内田さん、キュートだった。つかみから本当に素敵。いつも変なことに挑戦したがってくれてありがとうございます。

  • アキラとエリー(2作目)が観たすぎて、にぼいわさんに大阪からこのライブのためだけに御足労いただいてしまった。私はこのネタが大好き。(なんと、1作目を観ていないのに!!)大阪単独で観た時にぐわっと心が動いた箇所でまた同じように揺さぶられた。面白いしかっこいいし本当に好きなネタ。ワガママ聞いてくださってありがとうございます。

  • 全組そうだけど、特にさすらいは絶対に呼びたい〜って思ってた。漫才でもコントでも"論"みたいなフレーズがあるからどのネタでも嬉しいと思ってたけど、「このライブなら1番これが観たいかも」って思ってたネタがドンピシャで観られて、やっぱりすごい好きだった。やっぱりすごい好き。終演後の感想見た感じ結構な数の人に刺さっていてそれもまた嬉しかった。

  • 中MC、絶っっ対に坂本さんの仕切りが観たかったから満足。(中MCの)リーダーを自称していた。リーダーって何なんだ。中田さんが"坂本No.1で〜〜す!!"とか"卵すりおろしたりね"とか言って坂本さんに怒られているのを見て「見たかったやつ〜〜泣」と喜んだ。春組織との組み合わせも新鮮でかなり良かった。

  • コーツ、最初から最後まで神がかって面白かった。ワガママ言って良かったし、ワガママ聞いてもらって本当にありがたい。この経験はきっと自慢できちゃいますね…

  • 神保町や魂ライブになかなか足を運ばなくなっていたので久々のドンデコルテだったけど、やっぱり好きだな、ライブ趣旨がばちっと伝わっている感じがして嬉しいな、と思った。渡辺さん、すごく怒っている!と思ったらいつもより増し増しで怒ってたらしくて納得だった。そして増し増しで怒ってくださってありがとうございます。

  • 春組織の追加が事情でギリギリにはなってしまったけど、今日出ていただいた方々は(コーツを除いて)6月頭から名前を挙げていたので、観られて嬉しかった!!振り切ったパワーのあるネタ、観ていて楽しすぎる。もっと観ていきたい。

  • ルシファーさん、マセキチャンネルで観て涙を流して笑ったネタをしていて、また涙を流して笑ってしまった。全言葉に意味があって、全言葉がしょうもない。面白すぎる。私は幸せ者だ。

  • さすらいと同じくらい「サスペンダーズにマストで出ていただきたい」と思っていた。どのネタをとっても主張がある。トリで爆発的にウケててもう最高だった。個人的には香盤大正解だったと思う。すごい決勝行きそう。"ギリギリ間に合った…出てもらえて良かった…"という気持ちでいっぱい。

  • EDが組み合わせ的に1番どうなるか予想がつかなかったけれど、思わぬ盗撮繋がりとか、自撮り棒とか、ルシファーさんの「結構準決観に来る人いるみたいだけど1800キャパなら焼け石に水だろ」とか、ずっと楽しかった。最初で最後のつもりだったけど、こんなに幸せな気持ちになれるとなると、また機会があったらやりたいとか思っちゃいますね。まだ呼べてない好きな人たちもいるし。

  • 私が最高に面白いと思う人たちだけを集めたんだから、最高のライブに決まってた。

  • 当日の運営も終了後のホスピタリティも素晴らしくてライブマンに大感謝ですほんと…すごいことをしています、すごい経験をさせていただいてありがとうございます。

総括

私はライブが大好きだから、「好きな人たちがいつ売れてもいい」って心から言うのってすごく難しいと思ってしまうのだけれど、今日を経て「いつ売れてもいいかも」くらいには言えるようになった気がする。
もし観に来た方が読んでくださっていたら、分かち合えて嬉しいですと伝えたいです。気が合いますね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?