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日記:素敵なひねくれ者

(ある夜。)

昔投稿サイトで見た、とある二次創作漫画についての感想ツイートが流れてきた。
私もそれ好きだったな〜と、軽い感覚で思い出に触れたくなり、投稿サイトを見に行った。 

漫画以外の一枚絵もクオリティが高く、特に自分の好きな作品のイラストが”凡人には思いつかない表現”で描かれていた。
見つけた興奮。
その人の一次創作のアカウントを発見し、オリジナルの一枚絵も見た。
脳内に直接語りかける十数枚の作品すべてをもってして、私の中に

ふと 「私ってなんで生きてるんだろう」
という感情が生まれてしまった。
せっかく見ないふりしてきたのに!

理論で身につけられる表現力は、私の心を突き刺す凄い人たちが持つ力の氷山の一角にしかならない気がする。いつも、いつも自信がない。
去年の夏、短編漫画を1作作れたものの、それ以降まとまった文章を書く意志を持っておらず、このままじゃ夢から遠ざかると焦っている。

創作………妄想の世界だけではなく、現実を生きる際の私も少しひねくれている。
今朝、就活の合同説明会に行く前に、妹に「この前の合同説明会に、今会ったばかりなのに説明中の人事さんをハイテンションで褒めちぎってる人がいてさ、うわーって思ったんだよね。」
と本音を喋った。
「私もあんな風になれないよ。無理。」妹が相槌を打つ。
「だよね!?私あんな人を見ると今まで絶対、周りにすげー優しい人がいて、『盛り上げてくれると楽しい!』とか言われて『俺ってそうした方いいんだ!』とか思ってるからやってるとしか思えないんだよな。普通、なんか調子乗ってるんじゃないの?とか思っちゃうとできないよあんなこと笑」
別に同情は求めてない、むしろ私が間違ってるパターンもあるし。と思いつつ、口走ったら
「でもそれ悪口じゃん………。別に良いことじゃないの?明るいのって」
と困惑気味に返された。
「お姉ちゃんがひねくれてんじゃない、それ。」

スマホを見ながら風呂につかり、精神を病みながら過去の現実を思い出した。
だから何度も憎んだ。
初めに私に暴言を吐いた親を。
次に私をすくい上げてくれなかった学校や同級生を。
そして最後に、コンプレックスを作って失敗を怖がり、何も努力しなかった自分を。
素直に人の言うことを聞いていれば、いや聞ければ自信を持って生きやすくいれただろうに。何してんだ。
あー無理、20年間で積み上がっちゃった自分を消してしまいたい! 

いっそこのまま、何にもなれないんなら。

捻くれ者の自分を消してしまえば楽になんじゃね?と適当に検索エンジンに向かうこと数十分、

「大豆田とわ子と三人の元夫」の慎森についての説明文が目に飛び込んできた。

そして、岡田将生演じる3番目の夫・中村慎森はとわ子が社長を務める「しろくまハウジング」の顧問弁護士。甘いマスクのエリート弁護士ながら、「それ、いります?」が口癖のひねくれ者だ。雑談、あいさつ、お土産...なにかにつけて「それ、いります?」と食ってかかる慎森は、正直面倒くさい(笑)。しかし、実はパンダが好きだったり、運動音痴だったりと、完璧ではないところが見え隠れするのがなんともかわいらしいのだ。自分のことを分かってくれたとわ子のことを、離婚してもなお思い続けているという健気さがまた胸を打つ。ヘタレな面が目立つ慎森だが、第2話でとわ子とおでこをくっつけ合ったまま真っ直ぐに自分の思いをぶつけるシーンなど、時折見せるカッコ良さに思わずキュンとさせられてしまう。(中略)物語の中で、藻掻きながらも、人として成長していく姿を見せてくれる慎森から気付けば目が離せなくなる。

確かに、慎森はひねくれ者だった。
元夫の3人の中で彼は単にネチネチとしているように映っていた。私は一番いけすかない奴だなと思っていた。
でも「もがきながらも人として成長する人」だと評価されているのを見ると、確かに誰よりもそうだったと納得してしまう。

素敵なひねくれ者もいるじゃん。 
慎森みたいに、完璧ではないけど誰かをドキッとさせるかっこよさやかわいさがあるひねくれ者に成長できたらな。

これからちょっとずつ、自分自身に自分のことを分からせることができるだろうか。
自問自答して風呂が冷めていく前に今日は寝る。

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