復職への道(通うぞ!デイケア)②

 無事デイケア午前中を終えた私だが、30分の休憩を終えたのち待ち受けていたのは昼食である。ここでは1食200円で食事が提供されており、利用者としてはありがたい価格である。職場が病院の私は正直デイケアの食事というものにあまり期待はしていなかったが、なにぶん午前中にみっちりペーパークラフトをして見知らぬ他人とコミュニケーションをとった疲れから空腹がMAXの状態になっていた。職員たちが大ホールの隅に配食スペースを設けて準備し始め、12時ごろになるとワラワラと利用者たちが並び始める。ご飯は小盛りか普通盛りが選べるため、私は小盛りを選んだ。初日のメニューはカレーライスである。各々パーテーションで仕切られた席につき、いただきますの合図で食べ始める。味は給食によくあるカレーといった感じで普通であった。他にツナサラダとジュースがついており、空腹のためややがっつきながらも食事を堪能した。しかし辺りを見回して愕然とした。もう私以外の利用者は全員食べ終わって食器を片付けているのである。私はどちらかというと食べるのが速い方だと自負していたが、ここにいる面子は皆私以上の早食いであった。彼らにとってはカレーは飲み物だったのかもしれない。私は急いで食器を片付けた。その時点で食事が始まってから20分も経っていなかった。みんないくら黙食とはいえもうちょっとよく噛んだ方がええのではないか。それともみんなも私と同じように腹ぺこだったのか。まあ何にしても食欲があるのは健康的で良いことだ。慌ただしい食事が風のように終わり、皆再び休憩に戻った。
 午後からは仕事関係の本を読むことにしたが、食後の眠気などもありあまり集中出来なかった。やはり手芸くらいの方が没頭しやすいのかもしれない。そして午後の作業も本来の時刻より10分ほど早く終わった。何故だか知らないがみんな終わることに関しては妙に早い。午後の作業が終われば皆ロッカーから荷物を取り出して鍵を返却し、会計を済ませに行く。かかった金額は1000円ほどであった。自立支援医療に感謝である。会計後しばらく休憩すると夕の会が始まる。利用者が1人司会に選ばれて1人ずつ名前を呼んでいき、その日の感想などを言ってもらうのだが、大抵の人は「今日も1日ありがとうございました」の一言で終わらせてしまう。その分他のことを話す人がいると「おっ」と目を引く。スタッフたちは丁寧に感想を述べていき、夕の会が終わると各々送迎車や自分の車などで帰っていく。学校とも職場とも違う、なんだか不思議な光景ばかりであった。帰宅すると私はソファに横になり爆睡した。転校初日の生徒のような気分であった。新しいことは疲れるものだ。だが不思議と嫌な疲れではなかった。きっとこれから慣れていくのだろう。そして完全に慣れた頃に卒業となるのだろう。なにぶん通うのはたったの2ヶ月なのだから。どうせなら楽しんでやりたい。これからが楽しみである。そんなこんなで2日目以降は③へと続く。

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