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あたしを作るものたち 4

何となく今までの流れで「小説を紹介していくのかな?」と思っている人もいると思うけれども、違います。
もちろん思春期に読んだ本は本当にあたしを形作る基礎になっているとは思うんだけれど、あたしとは切っても切れないものがある。
そう、漫画です。

この漫画とは、ある日の学校帰りにごみ捨て場で出会った。
それも単行本ではなくて、多分たまたま巻頭カラーになっていたのが目に留まって読んでみたのが最初。
「最終兵器彼女」その名前を覚えて家に帰った。

その時は古本屋で読むために名前を覚えたんだけれども、次の日に学校で聞いてみると、お兄ちゃんが持ってるよ、と、貸してもらえることになった。

最終兵器彼女は、文字通り人類の最終兵器にされてしまった少女『ちせ』と、その彼氏である『シュウジ(シュウちゃん)』の恋愛模様を描いた、セカイ系SF恋愛漫画である。
映画化もアニメ化もされているので、知ってる人も多いかもしれない。
本当に、ただただ自分を取り巻く世界と戦いながら、不器用に恋愛をしていく主人公達。
見慣れない北海道弁なのも可愛らしかった。

あたしは、もちろん主人公達も好きだったんだけれども、2人の友達のアケミの話が切なくて好きだった。
なんてことない理想の未来を思い描いて、尚且つそれが現実になると信じられるのは、やっぱり思春期の特権だと思うし、それが当たり前のものでないんだと思い知るのも思春期ならではだと思う。
アケミは正しいルートでそれを思い知るわけではないけど、甘酸っぱくて悲しくて切なくて理不尽で、どんなときでも恋愛ってそうだよなぁ……って。

たぶん、現実では本当に切羽詰まってたら恋愛なんか出来ないんだろうけども、それでも、報われても報われなくても、誰かを好きになるって良いなぁと思う。
『好きな人がいます。生きていたいです』あたしもそう思って生きていけたらな。
そう思うから、この漫画もあたしの一部。

おわり。

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