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あたしを作るものたち9

高橋留美子には沢山のヒット作がある。
うる星やつら、らんま1/2、めぞん一刻、犬夜叉、境界のRINNE……等々。
どれもがアニメ化されているし、大体の人はどの作品かには当たったことがあるんじゃないかと思う。
高橋留美子はそれくらいにメジャーな漫画家で、常に第一線を走り続けているすごい人。

その高橋留美子の作品の中であたしが一番好きなのは『人魚シリーズ』だ。
彼女の主戦場である週刊少年サンデーに載っていたものでもないし、上に書いた作品よりかは少しマイナーかもしれない。
でも、今でもたまに読む程度には好き。
シリーズ通して3巻しかないのも読み返しやすくてとてもいい。

この人魚シリーズは、物凄く簡単に言えば『人魚の肉を食べて不老不死になってしまった男と女が、普通の人間に戻るために旅をする物語』である。
本当にそれだけ。
もちろん、物語の中では他の不老不死になった者とも出会うし、不老不死になりそこなった者や、人魚の肉や伝説に囚われた人達とも出会う。
そのエピソード一つ一つがとても悲しくて寂しくて、人間の浅ましさや愚かさがこれでもかと描かれている。

主人公の湧太や真魚は、望んで不老不死になったわけではないし、他の不老不死になった人達もそうだった。
みんなイレギュラーで不老不死になってしまって、死ぬことも一所に留まることもできずに生きていくしかない。
本当に仲の良い人を作ることも出来なければ、家庭を持つこともできない。
だからその普通の幸せを手に入れるために主人公たちは普通の人間に戻ろうとする。

主人公たちもその他の人たちも、みんな最初に望んだことは大それた事ではなかったのに、人魚の肉があったから幸せになれなかった。
やっぱり、過ぎたるは及ばざるが如しということなんだろうな、と思う。
小さな幸せを大事にすればいいのに、人間って我が儘な生き物だなぁ。

そんなこんなで、これもあたしの一部。

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