部分溶け込み溶接の弱点と曲げモーメント【建築士試験】
こんにちは!ゼロ所長です。
今日は部分溶け込み溶接と曲げモーメントについて考えるね。
こんな問題が出題されることがある。
片面溶接による部分溶け込み溶接は、継目ルート部に曲げ又は荷重の偏心によって生じる付加曲げによる引張応力が作用する箇所には使用してはならない。
正解は・・・ 〇となるのだけど、なぜだかわかる?
知識ゼロの人が読んだら意味不明の文章だね。
本音を言うとゼロ所長も難しいと思っているよ!
がんばって一緒に考えてみよう。
部分溶け込み溶接と曲げモーメントの関係
部分溶け込み溶接は、鋼材同士を部分的に一体化(溶け込み溶接)する溶接方法だね。
図みたいに片面だけ溶接で一体化するけど反対側はなにもしない。
部分的にくっついていないから何だか弱そうだよね。
見た目だけじゃなくて実際に弱いんだ!
なぜ弱いか考えてみよう!
答えは簡単。それは、部分溶け込み溶接は、部分的にくっついていないから!なんだ。
当然といえば当然だね。くっついていないから、たとえば下図のような方向に曲げる力が作用するとどうなる?
パカッて簡単に割れてしまいそうだね。実際にはそんな単純じゃないけど、弱いのは確かだ。
ここまでいいかな?
もう少し踏み込んで考えてみよう。
図の方向に曲げる力(曲げモーメント)が作用するとき、部分溶け込み溶接の下側は引っ張る力、上側には押す力が作用している。
余談だけど、曲げモーメントは圧縮力と引張力が同時に作用する組合せ応力なんだ。
片側は溶接も何もしていないから引張ると、2つの鋼材はとれそうになるよね。すごく当たり前だ。
だから、部分溶け込み溶接は曲げる力(曲げモーメント)が作用する箇所には使えない!
よし、問題文の中ででてきた用語を解説しよう。
片面溶接
接合部の片面だけ溶接すること。
両面溶接に比べて耐力が低い。
付加曲げ
偏心荷重などにより作用する曲げモーメントのこと
引張応力
部材の内部に生じる引っ張る力
まとめ
よし。これまでの情報を元に整理しようか。
部分溶け込み溶接
⇒ 部分的に溶接で一体化するけど反対側はなにもしない。
⇒ 溶接も何もしない部分は弱い。特に、引っ張る力が作用すると簡単にとれそう。
⇒ 曲げる力は引っ張る力と押す力が同時に作用する。
⇒ 溶接も何もしない部分は引張力に弱い
こんなかんじで問題を解けるよ!
参考
最後に参考にした記事を掲載しておくね~。それでは~。