今井桂三先生と昆虫画の世界
図鑑を取り巻く状況は常に変化を続けている。
学研の図鑑が全て生体写真となって新しくなったのも記憶に新しい。
その一方で、歴史を振り返り、少し前の図鑑を開くと、そこには細密で描かれた標本画の世界が広がっている。
生物の特徴を誤りなく読者に伝えるための手段である標本画。
同時に私を含む多くの”昆虫少年”にとって” 美術“と最初に出会うシーンだったとも思う。
画家である今井桂三先生の名を初めて見たのは、幼少の頃持っていた学習図鑑だった。
当時の私は図鑑の図版が絵、あるいは写真