絵本の裏側 12
何にもいないと思った、広い、広い砂地の上。
本当はたくさんの生き物が潜んでいることが分かりました。
砂の隠れ家
この砂は無数の生き物を隠していたのか。
はたまた、みんなこの砂に上手に隠れていたのか。
ここは生き物たちの隠れ家だったんだね。
生き物に囲まれてすっかり身動きが取れなくなっちゃった男の子。
考え始めます。
こんなにたくさん隠れていたということは…
潜んでいる生き物は今見ているもので全部かな?
まだまだ隠れているのかな?
砂の中はどんな風になっているんだろう。
動けないけど、ちょうどいいや。
うごけないから そうぞうしてみる。
あしのしたの せかい。
想像の中で、小さな生き物たちが足の下でうごめいています。
なんだか、足の裏がもぞもぞむずむずしてきたぞ。
砂を掘ると…
実際に砂を少し掘り起こしてみると、
表面の茶色の砂の下からは、なんと真っ黒い砂が出てきます。
これは、すぐ隣にあるマングローブの落とした葉っぱや枝などの成分が蓄積して炭化して黒くなったもの、という説を聞いたりします。でも本当のところはどうなのか。私も知りません。
ただ、砂地のあちこちを掘った経験からすると、陸やマングローブに近い所が特に黒が濃いような気がします。
さて、砂を掘る、と書きましたが、実際にスコップなどを使って掘るのって結構大変。そこで、よくやるのが「砂の上でじだんだ踏む」という方法です。
お水が少しあるようなひたひたの地面の上に、はだしの足を肩幅くらいに開いて立ちます。そして、あとはその場で足踏み。足の裏を少し地面に押し付けるような感じでじだんだを踏んでみます。
すると…
だんだんと、足が砂の中に沈んで行って…
上手な人は膝の上まで砂の中に埋まることができます。
埋まっていく最中に、足の裏やふくらはぎに砂ではない何かが当たるのを感じて、くすぐったかったり、驚いて叫ぶ人も。
砂の中に隠れていた二枚貝がぽろっと地上に出てくることもよくあります。
砂の感覚に慣れてきたら、
砂とお水の混ざった心地よい圧力を感じてみます。
砂の中の温度も感じてみます。
なぜだかちょっと癒される、気がしてきます。
大人も子供も関係なくなって、みんな、まるで地球の靴を履いたみたい。
見渡す限りこんな砂地が続いてる。
ここはなんて場所だろう。
地面とつながりながら、ふと思ったりするのです。〈本編 P.17-18〉
【絵本の丸ごと、こちらです】
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