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AIと、歌ってもらうということ

主演のハン・ユアさんは、“実在しない”バーチャルヒューマンなのです。
バーチャルヒューマンは、3DCGなどによって、実際の人間そっくりに制作されたモデルです。
彼女の“歌声”は数百人のボイスデータを集め、合成されたものとのこと。

MoguLive

私、お歌というよりお歌の時に発生する音が好きなんです。
キム・ジウンのAll of meもまさにそれで、ただ音、音そのものが好きで今ここにいるんですよね。しかも全体ではなくただ一音とかなので、バカかと自分でもよく思うんだけどデフォルトです。

以前、活動しているのに歌はお休みしているって人をAIで歌わせてやろうと思ったのです。結果は謎のエラーで失敗したんですけど。
でも世の中にはそれが成功している動画が山ほどあるでしょう。
ジウンの歌声って、話声と違うんですよ。なので素材集めは歌声をきちんと選んで採ってこないといけないし、歌によって発声が違うので適するものでないと「こうはならない」ってなるんです。
彼の歌があまりお上手ではないのも相まって、違和感が今は強いんですね。

で、なぜ上に完璧AIさんを出したかというと、技術的には見た目も声も今はこんなところまで行けるって事実のためです。これは会社の金をつぎ込んで作成されているけれど、すぐに無料で素人が触れる時代が来ることくらいは、生成AIで騒がれる昨今わかりますよね。日本でも総理のフェイク動画がニュースになっていました。

短い単語や映像であれば、正直とても簡単に作れてしまう時代です。銀行の声紋認証がAIに突破される時代です。
私たちが信じられるものはない。
それに善悪関係なく、そもそも人間って信じたいものを信じるじゃないですか。感じたいように感じるでしょ。受け取りたいように受け取るでしょ。
ただ、特に悪意をもって使用された場合、対抗するのはかなり難しいなぁと思います。

で、お歌に戻りますが、AIに歌わせてみると、やっぱり違うなと思ったんです。失敗したと書いたけれどそれは完全にしっかりってのが無理で、途中経過の出力でそれなりにはできてたんです。(その先にエラー吐いただけで)
何が違ったかって、やっぱり表現。本当にそれだけ。
私が好きなお歌は、AさんがAさんなりに解釈して表現してくれたものだということが、AIを触ったことでより明確になりました。
分かっちゃいたけど、しみじみと、どうしようもなく納得させられたって感じ。
いくら私がAさんの「こういう癖が好き」と思ってそんなのを強調するために採取してきたって、それって私の解釈なんですよ。実際本人がどうやって歌うかは分からないし、何だったら9割外すだろう。
AIでできるのは「っぽい」だけで、本当にそれだけで、それ以上ではない。私が欲しているのは「っぽい」ものではないから、エラー吐こうが吐くまいがダメだったろうと思うのです。

基本的には完璧に整えられたものが好きです。なのでライブ感は全く重視してない。行きたいと思わない。私に適切な環境で適切な距離で適切な音が欲しいので。
ただ、人間が歌ってるから面白いってのは絶対にあってそれはめちゃくちゃ好きなんですよ。
歌唱力が天元突破している人なのに、時代が違うと表現が変わっていたりして、その時の彼らの心境や出来事を思うと、面白いの。酷い言い方だけど、面白いんです。
その面白さが出せるのも、ご本人様だけなんですよねぇ。


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