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研究を重ねたい一品

久しぶりの麻婆豆腐。無性に食べたくなったので作った。
今でこそ大好きな麻婆豆腐だが、子どもの時は苦手なメニューだった。
何故か好きになれなかったのだ。

好きになったきっかけ

母が市販の素で作るのも、給食で出てきたのも残したくなるほどだった。
とは言えご飯を残すのは許される家庭ではなかったので、
泣きながら、文句を言いながら食べていた。

私が小学校4年生の時、母が病気で入院することになった。
その期間、我が家のごはん担当が兄になった。
当時高校生だった兄は、学校から帰ってくると原付で少し離れたスーパーへ買い物に行っていた。(近所のスーパーで知り合いに会うかもしれないのが嫌だったらしい)
ある日晩ごはんに兄が麻婆豆腐を作ってくれた。
苦手なのを知っていたであろうはずなのだが兄は出してきた。
私もせっかく作ってくれたし、文句を言うのはさすがに…
と思ったので平静を装い食べてみた。
すると、苦手意識が一気に吹っ飛ぶほどおいしかったのだ。

私「なにこれ!すごくおいしい!!」
兄「えっ!?普通にいつも使ってる素で作っただけだけど…」

温度差のある会話だったがそれ以来、麻婆豆腐は大好物になった。


素を使わないレシピを知る

一人暮らしを始めてから、市販の素を使ってちょいちょい作っていた麻婆豆腐。しかし、肉の量や辛さに物足りなさを感じていた。
色々と工夫はしてみたもののそれでも好みの味に仕上がらず、
何ともいまいちな出来になっていた。

そんな時、料理上手の友人と麻婆豆腐の話になった。
友人の麻婆豆腐は素を使わないレシピで作っているとのこと。
何も知らなかった私は、手間暇がかかる大変な作業だと思っていたが、
友人は調味料を揃えるだけでそんなに大変じゃないよと言って、
快くレシピとポイントを教えてくれた。
豆板醤とオイスターソースを初めて買い、早速作ってみた。
今まで足りないと思っていた辛さがあって、一気に本格的な味になった。
実はこのレシピ隠し味にケチャップが入るのだが、
水分が飛んで凝縮された甘みと旨味が加わり、
ただ辛いだけでなく旨味も感じられる仕上がりになって本当に感動した。
このレシピはここから暫く愛用するレシピとなった。
ちなみに奥さんと友人に食べてもらった。絶賛してくれたのが嬉しかった。

このレシピとポイントを教えてくれた友人を師匠と呼ぶようになり、
いろいろと料理の相談に乗ってもらうようになった。
教えてもらったレシピは15年近く我が家の麻婆豆腐レシピとして定着した。

レシピの大幅変更

例のウィルスが大流行し「巣ごもり」という言葉が流行った頃、
YouTubeのとある料理系ユーチューバーの動画で麻婆豆腐を作っていた。
見たこともない調味料、使用する辣油も自家製…本当に度肝を抜かれた。
揃わない調味料はあれど、ある程度のものでも代用できのではと思い、
作り方、ポイントを押さえ作ってみることにした。
(紹興酒とか中国産のたまり醤油ってあっても購入には勇気がいるもので…)
せっかくなので辣油も作ってみることに。
その動画は辣油からの麻婆豆腐の流れだったので。

調味料は奥さんに怒られない程度のものを厳選して購入し、
辣油作り~麻婆豆腐を実践してみた。

にんにくのパンチと豆板醤の辛み、花椒の痺れ、ひき肉の旨味
辣油で使った様々なスパイスの香り、仕上げに入れたパクチーの効果
いろいろなものが絶妙に絡んで、自分で作ったとは思えない味になった。

主に材料を揃えるのに手間と暇がかかるが、
その分おつりがくるほどの対価が発生するレシピ。
現在はこのレシピを採用している。

最後に

紆余曲折を経て麻婆豆腐と向き合ってきた。
そこにはいろいろなきっかけがあり、都度進歩があった。
私の実家や師匠にいつか自分の麻婆豆腐を感謝の意を込めてご馳走したい。

そして、まだまだ知らない麻婆豆腐の世界をもっと堪能してみたい。
今まであまり中華料理屋さんで麻婆豆腐をあまり食べたことが無いので、
本格的な麻婆豆腐も味わってみたい。まだまだ、発展途上の私の麻婆豆腐。
これからもさらなる進化に向けて、努力を注いでいきたい。


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