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メリージェリー


昨夜ふと目が覚めた。

クラゲがプカプカ、枕元近く。
透明で煙のようで。時々見掛ける、光の加減で見える舞う埃のようにも思えた。

四葉のクローバー模様があるから、種類はミズクラゲなんだろうな。

チラチラと、暗がりに慣れた目と僅かな外からの光とでようやく見える、空中を漂うクラゲの姿。
夢と現実を漂うようなトロンとした意識で、その様子を見ている。何をするでもなくただ見ている。

見ている内に、そこにいるのは、一匹だけではないと気付く。(いつのまにやらどう増えたのか、そもそもはじめからいて気付かなかっただけなのか)

大きさはどの子も手の平サイズほどで、大体7・8匹ほど(正確な数も覚えていない)、寝転がって手を伸ばしても届かない高さの空中を、ずっとプカプカしている。


---?

なんだろうこれは。

トロンとした意識は、なかなか覚醒しない。瞼は重くて重くて。そんな状態でも、不思議な光景を前に疑問符が浮かんでは消える。

私だけに見えるものかと思ったら、どうやらそうでもないらしいし。(それなのに構わずまた眠りに落ちている隣人に呆れと尊敬が混ざっている)

ひとまずずっと観察してみているけれど、見守れど見守れど離れていく様子も特にない。同じような場所で、付かず離れずの距離感で、ただただ、ずっと私の頭上でプカプカ、空中を漂っている。

そういえば、こういうの見覚えがあるな。赤ちゃんのベッドで、グルグル回って、優しい可愛いオルゴールの音がするオモチャ。ベッドメリーと言うんだったかな。目の前のクラゲ達は、チャプチャプ音がするでもましてや鳴き声なんて当然あるわけもなく、無音でプカプカしているだけだけれど。

夢なんだろうか。寝ぼけているんだろうか。考えていたら、なんだかまた眠くなってしまった。このまま私もまた寝落ちてしまうんだろうか。人のことなんて言えないな。眠気の前ではどうしようもなく無力。

明るくなったら、この子達は見えなくなってしまうんだろうか。朝には消えてしまうだろうか。死んでしまうのと、消えてしまうことの違いについていつか思い悩んだ記憶がふと蘇る。

居続けるのも、いざ触るのも少しこわい気がするけれど、目の前から消えていなくなってしまうのは、なんだかちょっと淋しい気がした。

そうだ、起きたら意味を調べてみよう。クラゲが出てくる夢。なんだか前にも夢に出てきたクラゲ。悪い意味ではないと良いんだけれど。


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