ぱしゃりと短歌

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短歌/ひだりてをあなたは握りしめてきてゆうやけだよとひらいてくれる

短歌/炒飯がわたしにだけこない夢をみてぼろぼろに泣きながら目覚めた

短歌/夜がくるとおしまいになるところからはじまりになるところへ向かう

短歌/「ワンワン」はヒト語でいえば「もうにどと雪はやみません」ぐらいの意味

短歌/今日中に今日がおわるか確かめるために閉め忘れている蛇口

短歌/これ以上ないセックスのあとでみる悪夢はバランスがとれている

短歌/蝶々たちが逃げきった夕立にこれからうたれにゆく君の肩

短歌/すこし濡れるぐらいじゃつまんないよとそこからはつなぎっぱなしの手

短歌/港から五十三歩でつく部屋の窓をあけずにみている港

短歌/にんげんにわかることばで喋るのが天使たちにとっての暇つぶし