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因数分解 〜第1話〜

主人公:渡井 ゆらら(16)
数学教師:鬼丸(59)
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進学校に通うゆららは、マッシュルームカットを世界一のヘアスタイル、大きな丸眼鏡こそ自分の最強アイテムと信じる一見とっても地味な女の子。
友達は一人もいないが、その個性的なファッショナブルと色白で丸顔、小さくつぶらな瞳、ぽっちゃり体型から連想させる大木凡人という愛称でギャル達からは、からかいの対象として親しまれていた。

今日もクラス1のビッチなギャルAがゆららを見下す態度で声かける。
『凡ちゃん、宿題のプリント見せてー 』
『いいよー』

大木凡人が目撃ドキュンのレポーターをしていたことなんて彼女らは誰一人として知らないだろうに……。その愛称は誰の知識なのか? と、ゆららは感心していた。今度、赤いジャケットを着て登校したら何人の子が私のギャグに気付くだろうか?そんなことを考えるとワクワクしてしまう。

友達は欲しいとも思わないし、作ろうとも思わない。バカにされてもどうでもいい。放課後、彼氏と制服デートしたり、友達とパンケーキを食べることなんてアレに比べたら少しも魅力的ではないもの。

ゆららは成績優秀、スポーツ万能の才女、特に数学はズバ抜けた才能で、東大の赤本を全て解いてしまったほどだ。数学とアレさえあれば、彼女は充実、安定した高校生活をエンジョイできるのだ。

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そして、この高校の首領的な存在で数学教師兼柔道部の顧問鬼丸(59)はその名の通り鬼のような形相に、頭はスキンヘッド、鍛えられた肉体はレスリングの選手並みに強靭で生徒は勿論、校長や教頭までもが恐怖を感じている。
首領らしく彼は、地下の実験室一帯を自分の縄張りのように仕切り、誰も立ち入ることを許していない。
あの子を除いては……。

とある日の放課後、ゆららの右手には鍵が握られ、鼻歌混じりに地下室に足を進めていた。地下への扉の錠を開け、更に深く進む。第一実験室の前で足を止め、コンコンと叩くと、中から声が
『サインコサイン?』
『タンシチュー❤️』
『入ってよし』

扉を開けると、鬼丸が新品の黒板消しの上に固くなったイチモツをふんどしの横から出し、ドッスンと乗せていた。ふんどし一丁の鬼丸を見てゆららの顔からは笑みがこぼれる。
『そんなすごいハムソーセージ。ミュンヘンのお祭りでも売ってないぞ❤️』
『待っていたぞ。本日もお前の身体を因数分解してやる!』
黒板消しの上に一滴、汁がこぼれた。

#学園物 #官能小説 #ゲス

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