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【推しの子】書下ろし小説を読んでから「アイドル」の歌詞を見直してみた


ここ数日、YOASOBIの「アイドル」が頭の中でヘビロテしている毎日を過ごしています。
イヤーワーム現象っていうらしいですね。

そんな「アイドル」ですが、この曲の原作になるのが『45510』という赤坂アカ先生の書き下ろし小説な訳です。
今回はその小説を読んだ上でもう一度歌詞を見直し、感じたことを考察(妄察)していけたらいいなと思います。

私は音楽理論などは全く分からないため、あくまでも私が感じたことをそのまま書いています。もし、間違っていたりしたら教えていただけると嬉しいです。


YOASOBI「アイドル」の歌詞

とりあえず、歌詞を載せておきます。
この歌詞を1番、サビ1、2番、サビ2、3番、ラスサビに分けて話していこうと思います。

無敵の笑顔で荒らすメディア
知りたいその秘密ミステリアス
抜けてるとこさえ彼女のエリア
完璧で嘘つきな君は
天才的なアイドル様

今日何食べた?
好きな本は?
遊びに行くならどこに行くの?
何も食べてない
それは内緒
何を聞かれても
のらりくらり

そう淡々と
だけど燦々と
見えそうで見えない秘密は蜜の味
あれもないないない
これもないないない
好きなタイプは?
相手は?
さあ答えて

「誰かを好きになることなんて私分からなくてさ」
嘘か本当か知り得ない
そんな言葉にまた一人堕ちる
また好きにさせる

誰もが目を奪われていく
君は完璧で究極のアイドル
金輪際現れない
一番星の生まれ変わり
その笑顔で愛してるで
誰も彼も虜にしていく
その瞳がその言葉が
嘘でもそれは完全なアイ

はいはいあの子は特別です
我々はハナからおまけです
お星様の引き立て役Bです
全てがあの子のお陰なわけない
洒落臭い
妬み嫉妬なんてないわけがない
これはネタじゃない
からこそ許せない
完璧じゃない君じゃ許せない
自分を許せない
誰よりも強い君以外は認めない

誰もが信じ崇めてる
まさに最強で無敵のアイドル
弱点なんて見当たらない
一番星を宿している
弱いとこなんて見せちゃダメダメ
知りたくないとこは見せずに
唯一無二じゃなくちゃイヤイヤ
それこそ本物のアイ

得意の笑顔で沸かすメディア
隠しきるこの秘密だけは
愛してるって嘘で積むキャリア
これこそ私なりの愛だ
流れる汗も綺麗なアクア
ルビーを隠したこの瞼
歌い踊り舞う私はマリア
そう嘘はとびきりの愛だ

誰かに愛されたことも
誰かのこと愛したこともない
そんな私の嘘がいつか本当になること
信じてる

いつかきっと全部手に入れる
私はそう欲張りなアイドル
等身大でみんなのこと
ちゃんと愛したいから
今日も嘘をつくの
この言葉がいつか本当になる日を願って
それでもまだ
君と君にだけは言えずにいたけど
やっと言えた
これは絶対嘘じゃない
愛してる

YOASOBI「アイドル」Official Music Video 概要欄より

1番.秘密主義のアイ

無敵の笑顔で荒らすメディア
知りたいその秘密ミステリアス
抜けてるとこさえ彼女のエリア
完璧で嘘つきな君は
天才的なアイドル様

いつも頭の中をグルグル回っている部分です(笑)。
前奏なしでいきなりラップ調。
メディア、ミステリア(ス)、エリア、君はの部分で韻を踏んででめっちゃかっこいい!
語尾の音を高くしながら息を吐くような感じで歌っているとこが可愛く聞こえるのがすごいです。
まさにかっこいいとかわいいいを両立した天才的なアイドルって感が表現されていると思います(笑)。

今日何食べた?
好きな本は?
遊びに行くならどこに行くの?
何も食べてない
それは内緒
何を聞かれても
のらりくらり

そう淡々と
だけど燦々と
見えそうで見えない秘密は蜜の味
あれもないないない
これもないないない
好きなタイプは?
相手は?
さあ答えて

ここは小説の忠実な再現となっています。
アイがライブ配信をしていてコメントの質問に答えていくという場面なんですが、色々質問されても「内緒ー」、「秘密ー」といった感じで質問をのらりくらりと躱しています。
しかし、結婚願望についての質問に「無いよ」と即答したり、「ずっと一緒に居たいって思うの。最近ちょっと分かるかな。」と匂わせてみたりとちゃんと答える質問もあったり。
そんな見え隠れするアイの秘密主義的なところがファンを沼らせていってるんだろうなと思いました。

「誰かを好きになることなんて私分からなくてさ」
嘘か本当か知り得ない
そんな言葉にまた一人堕ちる
また好きにさせる

「誰かを好きになることなんて私分からなくてさ」
小説でもアイが同じようなことを話しています。
ファンからすれば嘘か本当か分からない言葉ですが、アイの本心ですよね。
でもそんなアイドルの模範回答かのような言葉にファンは沼っていくんでしょう。

サビ1.完璧で究極のアイドル

誰もが目を奪われていく
君は完璧で究極のアイドル
金輪際現れない
一番星の生まれ変わり
その笑顔で愛してるで
誰も彼も虜にしていく
その瞳がその言葉が
嘘でもそれは完全なアイ

誰もが目を奪われる完璧で究極のアイドルであるアイ。
めっちゃベタ褒めです(笑)。
私個人としては、サビ後半の歌詞がとても好きで、「嘘でもそれは完全なアイ」にいろいろな意味を見出せるのがすごいなと思います。

まずは瞳の意味のアイ(eye)。
彼女のファンを見るキラキラした瞳はもしかしたら嘘なのかもしれないけど、ファンからしたらそれは完全なものって意味。

次に言葉のアイ(愛)。
ファンに言う愛してるはもしかしたら嘘なのかもしれないけど、ファンからしたらそれは完全なものって意味。

もう1つはアイドルとしてのアイ。
完璧すぎて作り物のように見えるけど、ファンからしたらそれが完全なアイだって意味。

そんな意味をこの1つの「アイ」に込めて歌にできるAyaseさんすごすぎってなりました。

結論、1番とサビ1ではファンからみたアイを歌っているのではと私は思いました。
アイにハマってしまう理由、好きになってしまう理由がよくわかる歌詞だと思います。

2番.B小町のメンバー視点から見るアイ

はいはいあの子は特別です
我々はハナからおまけです
お星様の引き立て役Bです
全てがあの子のお陰なわけない
洒落臭い
妬み嫉妬なんてないわけがない
これはネタじゃない
からこそ許せない
完璧じゃない君じゃ許せない
自分を許せない
誰よりも強い君以外は認めない

2番は小説でアイを妬んでいたB小町のメンバー「私」の視点での歌詞になっています。
小説でもB小町の人気のほとんどがアイによって支えられていたこと、アイが不動のセンターで他のメンバーは引き立て役でしかなかったことなどが書かれていました。
引き立て役「B」というところがB小町を意識していたり、引き立て役の中でもAですらない劣等感を表していたりしていて面白いなと思います。

しかし、「私」はアイを妬んでいたのと同時にアイに強い憧れも持っていたのではないでしょうか。
誰よりも強い君以外は認めない、認めたくない。だってアイは「私」が妬むのも仕方がないほど完璧な存在だから。
そんな思いがあるように感じます。

サビ2.最強で無敵のアイドル

誰もが信じ崇めてる
まさに最強で無敵のアイドル
弱点なんて見当たらない
一番星を宿している
弱いとこなんて見せちゃダメダメ
知りたくないとこは見せずに
唯一無二じゃなくちゃイヤイヤ
それこそ本物のアイ

もしアイに弱点があったら(実際あると思う)どうなるんでしょうか。
おそらく誰も見向きもしないんでしょう。
実際、小説の話がまさにそれでしたし。
結局のところアイの実際のところはどうでもよくて、自分たちが信じる最強で無敵のアイドルこそが本当のアイだと偶像している様が表現されているように感じました。

結論、2番とサビ2は他メンバー視点を主として偶像であるアイを歌っているのではないかと思いました。
同じB小町のメンバーからも偶像されるアイ。やばすぎる…。

3番.アイドルのアイ

得意の笑顔で沸かすメディア
隠しきるこの秘密だけは
愛してるって嘘で積むキャリア
これこそ私なりの愛だ
流れる汗も綺麗なアクア
ルビーを隠したこの瞼
歌い踊り舞う私はマリア
そう嘘はとびきりの愛だ

1番と同じように韻がとても印象的なラップの部分。

隠しきるこの秘密というのはアクアとルビーのことだと思います。
病院でのゴロー先生との会話の時も隠しきるって言ってましたよね。

私がこの曲で1番好きな歌詞が、アクア、ルビーの出てくるこの部分の歌詞なんです!
アクア、ルビーと名前は出ていますが、別に双子について歌っているわけではないと思います。
あくまでアイドルのアイについて歌っているのですが、その表現に双子の名前が出てくるところに親子なんだなって思わされてとてもいいです。
その次の歌詞も、自分をマリアと表現しており、母であることと偶像の対象であることをよくここまで的確に例えられるなぁと感動しました。

誰かに愛されたことも
誰かのこと愛したこともない
そんな私の嘘がいつか本当になること
信じてる

アイがアイドルを始めたきっかけがこの考え方。
この嘘が本当になったのかはラスサビで分かります。

ラスサビ.欲張りなアイドル

いつかきっと全部手に入れる
私はそう欲張りなアイドル
等身大でみんなのこと
ちゃんと愛したいから
今日も嘘をつくの
この言葉がいつか本当になる日を願って
それでもまだ
君と君にだけは言えずにいたけど
やっと言えた
これは絶対嘘じゃない
愛してる

サビ1で完璧で究極のアイドル、サビ2で最強で無敵のアイドルと言われていますが、アイ自身はアイを欲張りなアイドルと言っています。
「愛してる」を本当のものにするためにみんなを嘘で魅了しているのは欲張りだとアイは思ってるんですね。

そして、後半の歌詞は双子に向けた言葉。
歌の最後の一言を本当の愛してるで閉めるのめっちゃいい。
感動しました。

結論、3番とラスサビはアイ自身がアイドルであるアイを歌っているのではないかと思いました。
ラップ調のところにあるバックのコーラスが壮大な感じを出してるのがとても良かったです。

MVの映像から思ったこと

歌詞ではないのですが、MVの映像を見た時に思ったことも少し語ろうかなって思います。
気になったのは異なる色合いで描かれた2人のアイとウサギの被り物。
初めて見た時はよく分からなかったのですが、この歌詞考察をしたことでなんとなく分かった気がします。
まず明るく描かれたアイと暗めに描かれたアイですが、前者が嘘でできたアイドルとしてのアイ。後者が愛を知らない本当のアイなんだと思います。
そして、ウサギの被り物が偶像を表していたんだと思います。
そのように考えると私の歌詞妄察と合うところが多いのでそう捉えてしまっただけなのかもしれませんが(笑)。

最後に

歌詞を読み直して色々考えてみましたが、いかがでしたでしょうか。
改めてこの曲の完成度すごいってなって、より好きになりました。
そして後から気づいたことなんですが、赤坂アカ先生って小説も書けるの!?ってなりました(笑)

歌詞の解釈は人それぞれだと思いますので、コメントなどで考えを教えていただけると嬉しいです。


読んでくださりありがとうございました。

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