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映画『聖なる犯罪者』感想

少年院を出たばかりの青年が、成り行きである街の司教をやることになった話。
ポーランド・スペイン映画。

聖人とは何をもって聖人といえるのか。

"良い人"には悪い面はないのか。そんなことはない。
人の心は誰しも多面的で、良い面もあれば悪い面もある。それも他人の捉え方によっても善悪は変わる。

"悪い人"が悪いと言われる所以は、強い印象の悪い面しか見られなくなるからだ。
悪い面があると、良い面の価値はなくなるのか?そんなはずはない。

テレビで芸能人に何かしらのスキャンダルが発覚するとみんなこぞって敵になるが、正直見ていて気持ちが悪いと思っていた。
確かにその不祥事自体は悪い事かもしれないが、それ一撃でその人を全否定する材料には決してならないと思うのよね。

本作では前科持ちが嘘をついて司教としての仕事をすることになる。
勿論ダメなんだけど、彼の行いも全て否定されるのか。
本来プロ必要な知識経験は学ばないといけないが、彼によって確かに救われた人達はいたのだ。
それは否定しようのない事実。

"良い人"にも悪い面はある。
"悪い人"にも良い面はある。
本来良いも悪いもなく、それが"普通の人"なのだ。

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