斜陽 太宰治 青空文庫

この前読んだ「人間失格」が結構好きだったので今回も太宰さんの本を手に取ってみた。

裕福な貴族が、裕福ではなくなり、色んなものを失っていく話(ざっくり)、不幸続きは、かず子が蛇の卵を焼き払ってしまったことかは始まります。母親らしき蛇の悲しげな表情が印象的です。この蛇が不幸の元凶だという旨の記述があったけど、なにかの隠喩ですかこれは???戦争???敗戦?かな?

お母さま。いかにも貴族らしく、お上品で、壮麗なお方!冒頭の、お母さまがスウプを頂くその表現は、緻密で美しすぎました。お母さまの上品さが嫌という程伝わってきます。かず子の母に対する愛、執着も、ひしひしと伝わってきます。そんな母の衰弱、家の金銭的状況、服役中だった直治の帰還、直治の薬物中毒。地獄の日々がはじまります!母は亡くなり、その後まもなく弟の直治は自殺してしまいます。

この地獄のような日々を、唯一繋ぎ止めていた太陽のようなお母さまの存在、彼女が衰弱していくと同時に、状況はどんどん悪化していく。と、ざっとこんな話でした。弟の姉に対する遺書、姉の、上原(恋焦がれていた相手)への手紙で物語は終わります。

貴族。貴族に生まれたからこそ、彼らは苦しい思いをすることを強いられました。生まれた時から高いところにいたから?貴族に生まれて、高いところにいるのって、一見いいことのように思えるけど、そうじゃないみたい、時代も時代だから?弟の直治は、薬物中毒でしたが、破茶滅茶な問題児であるのかと思ったら、本当はそうではないことが遺書からわかりました。貴族であることが嫌だった、庶民になりたかった、その違和感解消や鬱憤晴らしのため、薬物に手を染めた。ただ依存してたわけではなく、自分の貴族だというレッテルをはがしたかったのだと思いました。

かず子もまた、庶民の男に恋焦がれています。上原さんの子どもを生みたいと、何度も手紙を送る。最終的には、その恋を成就させお腹に子を宿します。生まれる子とともに、第2回戦3回戦を戦うと。もう小さな犠牲(=直治)を出さないために。この戦いっていうのは貴族の庶民化を意味する?庶民と貴族の恋?それとも単に恋愛の話??なんですかこれは?

追記【メモ】
チェーホフの『桜の園』を参考に書かれてる.
1947年日本国憲法、華族の瓦解、斜陽の出版は1947年
「斜陽族」敗戦で没落した貴族たちのことを指す、この言葉を生み出した

背景理解ってとても大事(焦り)見方が変わった、なんとなくわかった気がする。(焦り焦り)かず子は庶民との子を妊娠したことで「庶民」になれた、お母さまの死に際の描写、正確には覚えてないけど美しいまま死んだとの記述、これはお母さまが貴族のまま死んだことを示すのかしら...直治は恋心を募らせたまま自殺したから、その中間ってことか、かず子は直治の意志を継いでる、それで「革命」ってそういうことだったのか、読んでる途中、革命?なにを言ってるのかしらこの子は...てなってたけどこんな深い意味があったとは。すみません!


総じて、すごく勉強になったし、博学でないともっと読書楽しめないな、、、と痛感した一冊でした!サヨウナラ

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