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『悪魔の左足』はFリーグにとって“天使”か“悪魔”か

元ブラジル代表にして、レアル・マドリードのギャラクティコ(銀河系軍団、2000年代前半に超豪華な選手が集まった時代の愛称)の一人。

代表でもクラブでも世界一を獲った、歴代最高の左サイドバックにあげられる一人。

ハンパない助走距離から繰り出される左足FKは、その超スピードも威力も、壁の横を巻いてゴールの枠を捉える精度もハンパない。

故に『悪魔の左足』と呼ばれるロベルト・カルロス。通称ロベカル。

2000年前後をサッカー少年として過ごした世代からすると、ある意味イニエスタやFトーレス、ポドルスキーに匹敵する、もしくは上回ってくるネームバリューを持つ圧倒的レジェンド。

なんと。

Fリーグに来るらしいです。

これ素直に受け止めたらめちゃくちゃテンション上がる話です。

ただ、一旦落ち着いて考えてみると、「どうなんやろ?」問題が個人的にはいくつかあったので書き留めてみました。

①出場は2試合だけ(公式戦は1試合)
②公式戦はFリーグ選抜として
③ロベカルのフットサルスキル
④フットサルがサッカーの下位互換と映らないか
⑤なぜ大阪開催なのか

あ。大前提として、僕はロベカル大好きですし、サッカーもフットサルも大好きです。その上で思ったことをつらつらしておりますので悪しからず。


①出場は2試合だけ(公式戦は1試合)

ロベカルがFリーグに参戦!

とゆーからニュースの見出しに、「一体どこのクラブにそんなお金あったん?」ってなって(失礼)ニュースを開いてみると、、

9/8(土)エキシビションマッチに出場
9/9(日)Fリーグ選抜の選手として公式戦vs仙台に出場

以上。

…すみません。

正直ちょっとガッカリした自分がいます。

ちなみに9/8、9はFリーグが定期的に開催している共同開催(全チームが一つのアリーナに集まってリーグ戦をする、一日に4試合くらいまとめて観られるおトクな日)の二日目と最終日です。

Fリーグとしては“お祭りの目玉”として単発として呼んだのかなというところですが、正直参戦というからは、残り半分くらいあるシーズン通して出場して欲しかったなと。

エキシビジョン1試合、公式戦1試合だけって「どうなんやろ?」というのが率直な感想です。

そして今回の共同開催は大阪なんですよね。

これはもう完全に個人的なアレですが、関東在住のためガッカリ二発目です。

「どうなんやろ?」ポイント1、個人的ガッカリポイント2、です。


②公式戦は『Fリーグ選抜』として

二発もガッカリしてしまいましたが、気を取り直して。。

エキシビションはさておき、共同開催の最終日に出場する公式戦ですが、ロベカルは『Fリーグ選抜』として出場します。

そもそも『Fリーグ選抜』とは。

これはJリーグお好きな方であれば、2014と2015シーズンにJ3に存在していた、U22選抜をイメージして頂くとニアリーイコールです。

今季から若手の強化を目的として、23歳以下の選手たちでリーグが結成したチームが『Fリーグ選抜』です。

『Fリーグ選抜』は現在12チーム中7位、順位は正直パッとしませんが、Fリーグの絶対的王者である名古屋オーシャンズから今季唯一勝ち点を奪えたチームです。

つまり、『伸び代たっぷりの良いチーム』なんです。

果たしてそこにロベカルが入るのは「どうなんやろ?」と思ってしまうわけです。

・育成を目的として選ばれた選手の貴重な出場機会を奪ってしまう。
・準備期間は残り3週間しかない。
・そもそも果たしてフルタイムで練習参加するのか。
・更にそもそも言葉通じないけど公式戦出て大丈夫なのか。

非常に「どうなんやろ?」ポイントです。

それであればエキシビションを共同開催の全日やる方が良いのではなかろうか。。


③ロベカルのフットサルスキル

そしてこれです。

ロベカルは果たしてフットサル上手いのか。

少なくともプロレベルでフットサルをプレーしたキャリアは見当たりませんでしたが、メッセージ動画の中では自信ありげでした。

ブラジルの選手なので、恐らくフットサルに馴染みもあるのでしょう。

ただ失礼ながら、あまり技巧派のイメージはないんですよねぇ。

同じくブラジル代表とレアルマドリードで不動の左サイドバックを担っている現役バリバリのマルセロだったり、同じく元ブラジル代表で圧倒的なボールスキルを持つ稀代のテクニシャン、ロナウジーニョならまだしも。

ロベカルの魅力は圧倒的な走力強靱なフィジカル、スキニーは200%履けない丸太のような太腿から繰り出される超パワーのキックだと個人的には思ってます。

確かに超パワーのキックをフットサルで繰り出したら迫力ハンパないやろなって興味は津々です。

しかし、サッカーのようでサッカーではない、独特なリズムと技術が必要なフットサルで、走力もフィジカルも活かしにくいコートサイズのフットサルで、ロベカルは輝けるのか。

もちろん技術がないわけではないので一定レベルのパフォーマンスはあるだろうし、スーパースターなので見せ場は作ってくれるんでしょう。

ただ、公式戦でプレーするわけです。

ましてや若手の強化を目的とした『Fリーグ選抜』としてプレーするわけです。

イニエスタやポドルスキー、Fトーレスと一緒にプレーして、神戸や鳥栖の選手の能力が引き上げられている。

とはイコールにはならない気がしています。

世界トップレベルのアスリートから、プロとしてのスタンスだったり学べることは沢山あるとは思います。

ただ、強化目的の育成チームの選手にとって、「すげぇ」「太ももハンパねぇ」だけではない、技術的に得られる何かはあるのか。

まぁこれは得る側のスタンスによって差がつくものでもあるかもですが。。

それでもどうしても「どうなんやろ?」ポイント加点せざるを得ません。


④フットサルがサッカーの下位互換と映らないか

これすごくネガティブな捉え方ではありますが。

要は『サッカーでレジェンドだった選手なら、Fリーグ公式戦出てもイケるでしょ』みたいに映らないかってことです。

ちなみにロベカルが現役引退したのは2012年。既に6年経過しています。

2015年に監督兼任で当時率いていたインドのクラブで現役復帰してはいますが、出場は3試合に留まっています。

現役引退後は主にトルコやインドのクラブ、あるいは古巣のレアルで指導者としてのキャリアを積んでいます。

前述の通り、プロレベルでのフットサルキャリアはなし。

一方のFリーグの選手たちは、当たり前ですが毎日それぞれの境遇の中で一生懸命トレーニングを積んでいます。

そのトレーニングの成果を発揮する舞台が公式戦なわけで、そこに現役を退いて何年か経った、元フットサル選手ではなく元フットサル選手が割って入るのはどうなのか。

協会側はそんな選手がFリーグ公式戦の舞台に立つことを良しとしましたが、そこに『サッカーでレジェンドだった選手なら、Fリーグ公式戦出てもイケるでしょ』みたいな考えはなかったか。

少なくとも僕が対戦相手の選手なら「ロベカル好きだけど、ナメんなよ」って思ってしまいます。

Fリーグの選手に対して、そしてフットサルという競技に対して、本当にリスペクトはあるのか。

あれば公式戦1試合だけ出ますみたいな契約にはならないと思うんだけども。。

「どうなんやろ?」は募るばかり。。


⑤なぜ大阪開催なのか

「どうなんやろ?」が募ってはいますが、とはいえ、この話題性は毎試合の観客動員数が1,000人前後のFリーグにとってはプラスになるはずです。

もちろん一過性の懸念具合が著しいので、正確には「プラスになり得る素材」のはずです。

とはいえ注目度を上げるネタになることは間違いありません。

ただ、だからこそ声を大にして言いたい。

「なぜ大阪での共同開催なのか」

これ個人的に関東在住だから妬んでるわけでないです。

あくまでマーケの観点です。

北海道1、東北1、関東5、東海2、関西1、九州1

Fリーグ1部に属するクラブは、圧倒的に関東に集中しています。

今回のロベカル来日が「サッカー好きをFリーグに呼ぶきっかけ」だったり新規顧客の発掘を狙ったものだったとしたら、何故リピートの選択肢が多い関東にしなかったのか。

ちなみに『Fリーグ』をグーグル先生したら、トレンドの地域別インタレスト、直近1年間で大阪は10位でした。

『フットサル』だと6位

『ロベルト・カルロス』だと23位。(沖縄で人気なん何でや。)

すごく粗い情報収集ではありますが、新規集客のフックとしても、リピーター獲得のためのフックとしても、大阪での開催を選んだのは「どうなんやろ?」と思います。

大阪でのフットサル人気を、あるいはFリーグの認知を高めたいのか。

でもそれは「高めて終わり」にはならないのか。

いやそもそもそこまでも考えていないか。

10月にも小田原と町田で共同開催はあります。

関東なら行けたのになぁ。。

関東在住だから妬んでるわけでないです。

Fリーグやフットサル好きの方の代弁(のハズ)です。


とにかく『点』で終わらない集客イベントであって欲しい

好き勝手に「どうなんやろ?」を書き連ねましたが、本当にロベカルも好きだし、フットサルやFリーグがもっと盛り上がればと思っているからこそ、今回のトピックが『点』ではなく『線』になる集客イベンになることを、あるいは今後もっと『線』になるトピックが出てくれることを願うばかりです。


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