本田靖春「不当逮捕」

1983年刊。第6回講談社ノンフィクション賞受賞作(ちなみに、講談社のこの賞の受賞作を年代順に読んでみたい気もする)。

読売新聞記者/立松和博逮捕の顛末記。最も驚いたのは、和博の父/懐清が関東大震災時の朴烈と金子文子を取り調べた予審判事だったことである。懐清が朴烈と金子文子を2人だけにして写真を撮らせたり(大正末年の怪写真事件として有名で映画にもなっている)、立場の弱い2人に対して好意的に接したエピソードは、権力側に盾突くようなスクープを連発した息子/和博の正義感(DNA?)にもつながっていて因縁めいている。

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